【書評】 『クレアのあかちゃん』 吉田太郎

動物介在教育に取り組んできた立教女学院小学校の宗教主任、吉田太郎〝先生〟による5冊目の著書。同校の先駆的な取り組みは2003年のスタート以来、15年目を迎える。現在は震災後の福島から預かった2頭も学校犬として活躍している。
2016年には、犬を飼うことを社会貢献に繋げたいとの思いから、アイメイト(盲導犬)を産む繁殖犬クレアを迎える。本書では、クレアの出産から9匹の子犬たちの巣立ちまでのひと夏をオールカラー写真で綴った。生後11日目から子犬たちがたくましく育っていく一瞬一瞬に、子どもたちが真剣な眼差を注ぐ。
「あと10年くらい先になって、クレアの子犬たちがその働きを終えるころ、私たちの社会が、もっともっと寛容で優しい社会となり、あとに続く多くのアイメイトたちが日本中で視覚障がいの方の目となり、自立の支えとなり、活躍していることを祈ります」
こんな教育現場が、少しでも増えればと願わずにいられない。
【本体1,400円+税】
【セブン&アイ出版】978-4-8600-8753-1