【書評】 『年表でわかる現代の社会と宗教』 渡邊直樹 責任編集

2007年に創刊し、2016年までに年1冊のペースで刊行してきた『宗教と現代がわかる本』。本書はこの本が蓄積してきた10年分のデータを含め、1995年から2017年までの宗教と関わりを持つ出来事を、海外・国内別に年表にまとめた。
95年を年表の起点にしたのは、阪神・淡路大震災、オウム真理教による地下鉄サリン事件など、その後の社会に影響を及ぼすニュースが相次いだから。
巻頭特集には、ジャーナリストの池上彰氏、文化人類学者の上田紀行氏ら4人のパネリストが、1990年以降について語る座談会を収録。スピリチュアルが流行った背景、イスラム過激派「IS」に若者が集まる理由など、世界中の人々を覆う「生きづらさ」に目を開かされる。
宗教の立つべき位置を俯瞰的に見出す1冊。
【本体1,600円+税】
【平凡社】 9784582703573