【書評】 『時代を生きる 宗教を語る』 中外日報社 編

120年の歴史を持つ宗教専門紙「中外日報」が2014年から連載してきた「ほっとインタビュー」は注目に値する。17年2月までに登場した67人の中から24人のインタビューをまとめたもの。田原総一朗、佐藤優、浜矩子、中島岳志といった著名人が名を連ね、それぞれの宗教観を語る。
作家の高村薫は、幼稚園、高校、大学とキリスト教系の学校で学びながら、洗礼を受けることはなく「そこに入れない自分自身とは何者か、とずっと考えていた」と打ち明ける。
オウム、震災を経た現代。「正義や真理、国家など、いのち以上の価値が世の中にあると言ってきたのがナショナリズムであり……宗教もその片棒を担いできた」という上野千鶴子(社会学者)らの指摘に、宗教界はどう答え得るだろうか。
【本体1,100円+税】
【中外日報社】978-4-925003-12-4