【雑誌紹介】 『福音宣教』5月号
年間特別企画『証しの人ユスト高山右近――列聖列福へ向けて』。日本二十六聖人記念館館長、イエズス会司祭のレンゾ・デ・ルカの対談相手が春日部福音自由教会名誉牧師、表千家教授の髙橋敏夫になった。「日本にも、もっと日本らしい教会があってもいいのではないか」と思うようになり、同様のことを模索していたキリスト者を探すうちに、高山右近と出会ったと。髙橋が≪利休忌四百年の際に、京都国立博物館で、表千家不審庵の利休所持と伝えられている「山姥文庫」という蒔絵の小箱が展示されました。何の絵が描かれているかわかりますか≫と。レンゾが≪日本では見慣れないデザインですね。聖書の世界から来ているものですね。エデンの園ですか?≫と言う。髙橋≪そうなのです。……エデンの園で、エバが悪魔に誘惑されて、禁断の木の実を取って食べているところなのです。最初は、箱のふたの表に描かれていたものらしいのですが、その絵が見えないように返してしまったらしいのです≫と。利休死後400年も所蔵していること自体を秘めていたとし、さらに髙橋は、利休が「原罪」を知っていたことが興味深いと言う。
フォーラム対談『「不信仰経由信仰行き」のバスに乗って』。突然「うつ」になり、半年後に突然治ったイエズス会司祭でかつてザビエル学生寮寮長だったイシドロ・リバスが≪何もする気にならない。生きたくない。すべてを奪われた感じ。大変ですよ。辛い≫と言うと、同学生寮に在寮していた伊藤暢彦が≪もっとも大事にしている信仰さえも奪われたような気持ちになったということでしょうか≫と問う。リバスは≪たとえると立派な自動車は持っているけれども、ガソリンがないという状態ね。心のガソリンがない感じです≫と。≪そのような時は、お祈りもできないんですか≫と伊藤。リバスは≪「イエズスのみ心、すべてをおゆだねいたします」だけ。何も祈れない。神も信じられない。でも、「イエズスのみ心」は信じている。論理的にはおかしいけれども、それが事実です≫と。
【本体500円+税】
【オリエンス宗教研究所】