【雑誌紹介】 病者の世話のため主に派遣され… 『カトリック生活』2月号

熊本でハンセン病患者の救済に当たっていた『マリアの宣教者フランシスコ会』は今年、来日120年を迎えた。医療現場から同会員・岡野真弓が報告する。
医療の現場で誰よりもつらいのは患者さんとご家族である。しかし彼らとともに、私たち医療者も苦しみ、悩む。
力が足りないと思うとき、「目の前の、この患者さんに出会うように望まれたのは主だ」、「私をこの場へ派遣されたのは主だ」と、自分に言い続ける。そうしなければ、彼らの抱える苦痛、悩みの大きさに押しつぶされてしまいそうになるからだ。
医療者は専門家として経験も積み、診断と最適の治療法を提示する。以前は、「医者に任せる」という風潮が医療者、患者さんの双方にあった。今は、患者さんの望みや考えをよく聞き、彼らの気持ちに沿った治療、療養生活が行われるようにサポートするようになっている。主役は患者さんである。それは、「こちらから近づく、相手を中心とし、その場へ入っていく」姿勢につながっている。
病気を治す、「死なせない」ことだけが病院の目的ではない。人生の最後の日々を、患者さんが望んでいるように過ごせる場所となるのも大切な使命だ。
【本体200円+税】
【ドン・ボスコ社】