【雑誌紹介】 信徒が「皇国の臣民」に? 『福音宣教』5月号
月間テーマに沿って、澤田愛子(生命倫理・ホロコースト研究者)が「今の日本の風潮は、ヒトラーがドイツで政権を樹立して独裁制を固めていった頃の風潮とよく似てきており、非常に憂慮している」と言う。
「連載・時の階段を下りながら」。援助修道会の三好千春が日本天主公教教団成立の経緯を記す。《日本政府は、一九三八年に国家総動員法や電力国家管理法など一連の法律を制定して、あらゆるものを戦争へと動員する戦時動員体制を作り上げていく中で、宗教への管理統制も強め、一九三九年四月に宗教団体法を公布しました》。
《教団認可のために改訂された公教要理の「結言」には、「日本天主公教は皇国の教団であり、ひと日本天主公教の信徒は斉しく皇国の臣民であるから」、その教義は「皇国の道に従って」理解しなければならないと記されていました。これは認可を得るための方便としての言葉であったかもしれません。しかし、その後の教団の言動を見ると残念ながら、「日本天主公教の信徒」のアイデンティティーが、キリスト者、キリストの弟子、神の子ではなく、「皇国の臣民」になってしまったと思わざるを得ません》。
【本体600円+税】
【オリエンス宗教研究所】