【雑誌紹介】 礼拝に「世俗」の音楽はありかなしか 『礼拝と音楽』182号

 特集に『音楽の「聖」と「俗」』を組んだ。《たんたんたぬきの……この俗謡の旋律が、もとは賛美歌“Shall we gather at the river”の旋律だということは、一部の教派のキリスト者にはよく知られている。さらにその旋律は家電量販店のCMソングに転用され、大音量で耳に飛び込んでくる。聖俗の空間を行き交うその旋律は、はたして「聖なるもの」か、「俗なるもの」か。音楽の聖性をめぐる議論は、はてしなく続く》……。その雑誌が特集に『音楽の「聖」と「俗」』を組んだ。目次を見ると、「『聖なるもの』を問い直す」(小栗献=日本基督教団神戸聖愛教会牧師)、「宗教音楽・世俗音楽」(秋岡陽=フェリス女学院大学教授)、「宗教音楽の書法・世俗音楽の書法―バロック音楽から学ぶ」(佐藤望=国際基督教大学教授)、「ゴスペルシンガーになりたい」(沢知恵=歌手)、「礼拝音楽のインカルチュレーション」(西脇純=聖グレゴリオの家宗教音楽研究所講師)、「《座談会》礼拝に『世俗』の音楽はありかなしか!?(浦上充=日本基督教団東中野教会牧師、加藤麻衣子=ルーテル学院中学・高等学校オルガニスト、原田靖子=松本市音楽文化ホールオルガニスト、司会・竹佐古真希=日本基督教団白河教会オルガニスト)、「聖なる音楽」(坂本日菜=作曲家)と並ぶ。

 冒頭、小栗献が《今回の特集では、礼拝にふさわしい音楽とそうではない音楽というものがあるのかどうか、あるとすればそれはどのような音楽なのかを考えます》と記した流れは、特集関係者ほぼ全員に共通しているようだ。

 その中で、沢知恵が「ゴスペルシンガーになりたい」で《教会音楽と大衆音楽について考えるとき、……いったい私なんかに何が言えるのだろうか、と途方に暮れてしまいます》と言いながら《音楽は時代や社会と深く結びついているからこそ、その時代や社会を私がどう生き、うたうかが問われるのです。そうだとすれば、私が歩んできた道をふりかえりながら、この機会に、長年の課題に向かい合ってみようと思います。いつかことばにして整理したいと思っていた矛盾と葛藤について》と。

【本体1364円+税】
【日本キリスト教団出版局】

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