【既刊】『弱剣士 父』 佐伯昌祥
子が父を語る、戦争を生きた家族の絆を描いた伝記。
同志社に学び、剣道教師という伝統を重んずる職業についていた父・佐伯新六の厳しさと愛情を、息子である著者が丹念に描く。半身麻痺となった母の介護、軍人となった著者自身の壮絶な戦争体験などの記憶を辿り、苦しいときでも家族の絆を守り続けた父を思う。
【著者】
1923年神戸市に生まれる。軍隊から復員後警察に就職。定年退職後、会社員。その後、日本キリスト教団Cコースにて献身。西が丘伝道所、近江金田教会等にて牧会。2012年隠退。
可愛い妻や子のために精一杯頑張っていたのであろう。私も万一、父が居なくなったら、何もできない母と姉たちと共に路頭に迷わなければならない、と子ども心にも
感じていた。それで父が外出の言葉
「では行ってくるよ」
と言うと必ず
「お早うお帰り」と言った。(本文より)
【目次】
ある発見
父の中学生時代
父、社会人となる
父母の結婚と母の実家
母と昌祥の病気
父の厳しさと愛情
昌祥の中学生時代
水害とその影響
浪人時代
高工時代
弱虫
将校への近道
入隊、南方へ
魚雷攻撃を受け海没
教育隊参加
ジャワ島で勤務
敗戦を知る
引き揚げとその後
理一郎氏との出会い
訣別・最後の試練と死
【四六判・162頁 定価1,320円(本体1,200円+税)】
【キリスト新聞社】9784873956343