【書評】 『地域とともに未来をひらく お寺という場のつくりかた』 松本紹圭、遠藤卓也
第一部では、「お寺離れ」と「仏教ブーム」がなぜ同時成立するかという興味深い考察や、来会者の「ジャンル分け」や、「ニーズごとに活動内容とその目的を明確にすること」などが紹介されている。筆者が「お寺の二階建て構造図」と呼ぶものは、教会が活動を見直し整理する際にも参考になる。
「仏教」「お寺」と何らかの関わりを持つ人たちには、「先祖教」(お墓・先祖供養を通してお寺と関係を持つ)の人、「仏道・気づきを求める人」、「自己実現のための叡智、哲学、カルチャー等としての仏教を求める人」などのタイプがいるとの考察は興味深い。この類型はキリスト教や教会も同じ。そうした現実を直視できているかと自問自答しつつ、本書で紹介されている多彩な取り組み事例から、教会にもできることを模索したい。
【本体1,800円+税】
【学芸出版社】978-4761527167