【雑誌紹介】 エディット・シュタインの想い 『カトリック生活』10月号

 特集「エディット・シュタイン」。比較文化史家、バロック音楽奏者・竹下節子の「カトリック・サプリ」まで含めると15ページも割いているが、この特集の意味を示すものは、エディット・シュタインが収容されたアウシュヴィッツ第二収容所跡地内の輸送列車引き込み線終点と彼女の肖像画だけ。

 神戸松蔭女子学院大学教授の木鎌耕一郎がエディットの進歩的思想について、「エディットは各地に招かれ、女性の使命や職業について多くの講演を行った。その論理は今から見ても進歩的で、女性の司祭職に肯定的にふれた内容も見られる。教会とその伝統については、次のような発言をしている。『教会におけるすべてのことは、いつの時代にも変えられるべきではないという考え方は、間違っています。そのような考え方は、教会の歴史のもつ意味を見落としているのです。つまり教会は、人間の側から見れば、初めから発展や革新をもたらすために創設されたのです。この発展や革新ということは、すべての人間的なものと同じように、しばしば対立や不一致のなかで進行するものなのです』」と。

【本体200円+税】
【ドン・ボスコ社】

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