【雑誌紹介】 「永遠」とは「愛のとき」 『カトリック生活』11月号
11月の「死者の月」に合わせた特集「『永遠』を想う」。「愛のときを味わう――永遠の奥深さのたゆたい」と題して阿部仲麻呂(東京カトリック神学院教授、カトリック鷺沼教会協力司祭)がつづる。
「『永遠』とは『愛のとき』なのです。自分の生き方として『永遠』が開かれてくるものなのです。『永遠』とは遠くにある概念などではないのです。何よりも生きることが大事なのです。生きて味わうこと。身体的に愛情の深さを感じとって、自分の人生を賭して生き抜くことが『愛のとき』の味わいとしての永遠の出来事となります」
「確かに、現実の生活は苦しみに満ちています。言い知れぬ不安、自分の限界、相手とのかかわりのなかで生じる罪、どうにもできない悪の力によって人類は押しつぶされています。しかし、イエスが十字架の上でいのちをささげ尽くすことによって人類のあらゆる困難を身に負いつつもまったく新たな可能性を開きました。その現実は、決して揺るがない真実」
「弟子たちから裏切られ、民衆からも見棄てられ、宗教指導者たちから追いつめられたイエスの十字架上の死。ほんとうの愛情とは、相手からどんなに理解されなくとも、諦めずに愛しつづけることです。相手が心を入れ替えることを信じて待ちつづけること。イエスの十字架は、まさに『神の究極の愛情のしるし』です。それが『永遠』であり『愛の状態』です」
「相手を愛するときにこそ、私たちは、すでに『永遠のいのち』においてしあわせを生きているのです。これがキリスト教における『永遠』の理解です。おたがいに大切にし合うという『永遠の契約』を生きることがあらゆる人の人生の歩みの奥義なのです」
【220円(本体200円+税)】
【ドン・ボスコ社】