【雑誌紹介】 「死」という殻を破ったら 『カトリック生活』6月号

 イエズス会司祭・平林冬樹による特別連載「殻を破って飛び出そう!」の第5回。

 「社会では役に立つ人が賞賛され、存在の意義を認められます。……役立たずになったら捨てられる、それが怖い。だから一生懸命に努力し、自分の存在を訴えます」

 「『役に立つ』という概念を『奉仕』に秀でると体裁よく言い換える向きもあります。他人のために奉仕する人になろうという考えは、とても美しい。でもそれは、役に立つかどうかで人を値踏みする論理と同じです」

 「いくら努力しても、自分は人に役立つことはできないと考えて肩を落とす人は、大勢います。大学の卒業にあたり、入社試験を受けた三十社すべてに失敗した青年が、自殺したという報道を見たことがあります。自分は社会から捨てられたと実感したのでしょう。人のいのちに、役に立つかどうかという条件をつけるなら、生きる価値がないと烙印を押されるいのちが、無数に生まれます」

 「多く働けば、それだけ多くもらえ、少なければ、報酬も少ない。これが人間の正義でしょう。しかし神は違います。一人ひとりをこよなく愛し、すべての人に同じようにめぐみをくださいます」

 「どんなに充実した生活を送ろうが、社会に大きく貢献しようが、最後は、否応なしに死を迎えます。その意味で、人生に希望はありません。神の約束も、しょせんは人が生きている間だけのことなのでしょうか。いえ、そうではありません。イエスは、十字架の死から復活のいのちに移ったのです。死という最強・無敵の殻を破り、裏切ってイエスを捨てたペトロと弟子たちを、イエスとの出逢いに導き、新たないのちへと誘ってくださいました。……だからいつでも、希望に生きることがゆるされます。私たちには、もうだめだ、もうおしまいだということはありません」

【220円(本体200円+税)】
【ドン・ボスコ社】

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