【雑誌紹介】 教会は「認めてもらえる」場所 『季刊・教師の友』2023年7、8、9月号

 連載「どうして、そういうことをするの?――子どもの行動の奥にあるもの」第2回「出番を作ってみよう」。カウンセリングオフィスお茶の水代表の村上純子(聖学院大学教授)が、CSの時間に落ち着いて座っていることができない「シン君」を例に、「落ち着きがない子」「注意力が足りない子」と言われる子どもたちへの向き合い方を考える。

 「この子たちは、先生の言っていることがわからないわけではありません。静かにしなければならないこともわかっているし、席に座っておとなしくすべきだということも、忘れ物をしてはいけないこともわかっています。でもそれを守ることが難しいのです」

 「彼らの中で何が起きているのでしょうか? 彼らはわざと落ち着かない行動をしているのではなく、動いていないと落ち着かないのです。無意識に体が動いてしまっているのだと言ってもよいでしょう。また、自分の気持ちや○○したいという欲求をコントロールすることがそもそも難しいのです。だから所かまわず話したいと思ったら話してしまいます。これは決して育て方やしつけが悪いからではありません」

 「彼らは、自分ではどうしようもない、直したいと思っても直せない行動なのに、親御さんや学校の先生たちからいつも怒られて、『なんでできないの』と言われ続けます。また、こういう落ち着きのなさから学校の勉強が遅れたり、他の子から疎まれたりすることもあります。その結果、自分のことを『がんばっても自分はダメだ』と思ってしまいやすくなります」

 「こういう子どもたちの出番を作ってみてください。例えば、聖書のお話をするときに教材を持ってもらう、献金の袋を持って回ってもらう、みんなに出席カードを配るなどの出番です。……そしてその役目を果たすことができたら、『ありがとう! 助かったよ』と伝えてあげてください。こうすることで『じっとしていないと怒られる』と思うことが減り、『先生の役に立っている』と感じることができます」

 「『落ち着かない行動』をしてしまう子どもたちにとって、CSが『ここでも怒られる』ではなく『ここでは自分のことを認めてもらえる』と感じられる場所になってほしいと思います」

【本体1528円+税】
【日本キリスト教団出版局】

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