【雑誌紹介】 健全な終末観に立てるか? 『礼拝と音楽』198号

 特集「終末」。柳本伸良(華陽教会牧師)が「カルトと終末」と題して教会のあり方を問う。「最近は、教会生活を送るクリスチャンが、ネットやSNSを通して、センセーショナルなタイトルに惹きつけられ、陰謀論と組み合わされた終末観を吸収してしまうこともあります」

 「それらの発信には『真実に気づかなければ、最悪の形で世界が終わる』といったようなことが語られており、テレビやニュースの嘘、世間一般で信じられている虚構に気づいて目覚めることが、救いにつながると主張されています」

 「陰謀論的な終末観に陥った信徒を『愚かだ』と批判することは簡単ですが、その原因の一つには『陰謀論との親和性』を考慮しないメッセージの在り方(とにかく聖書を引用することで説得力があるように見せる)があるかもしれません」

 「聖書が伝えようとしている『福音』を、神の国は近づいたという『良い知らせ』を、一人一人が新しくされる『共同体』を、どこかで探し求めている人たちは、『教会のオワコン化』が口にされる現在も、実は、たくさんいるのではないでしょうか? 教会は、その人たちを迎える場所なのか、利用しようとする場所なのか、どっちに傾いているでしょうか?」

 「教会の『終末観を問う』ことは、単に、教えの内容を問うだけではなく、教えを語る『共同体の在り方を問う』ことでもあります。教会で過ごす人たちの様子を見たとき、そこに救いの完成が見えてくるか? それとも、個人を蔑ろにする現実が見えてくるか? カルトを他人事にして、世間の人々に無関心のまま、各々の共同体の実態も振り返らないなら、どの教会も健全な終末観には立てません」

【1,500円(本体1,364円+税)】
【日本キリスト教団出版局】

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