【雑誌紹介】 終わりのない消費社会の中で 『BIBLE&LIFE 百万人の福音』11月号

 特集「現代の『偶像』礼拝――あなたが神より上としているものはありませんか」。人間は「存在の不安」を感じることのないように自分の感情を麻まひ痺させ鈍くさせる傾向があると、日本精神神経学会専門医の芳賀真理子(駒込えぜる診療所院長)が「現代の偶像」の中で指摘する。

 「しかし、この自分の感情の麻痺もしくは鈍さのゆえに、私たちは退屈するのです。それで、『なにかもっと刺激的なものはないか』『熱中できるものはないか』と興奮を求めハマっていく、これが信仰的には偶像礼拝、精神科的には嗜癖・依存症ということになります」

 「今の世の中は、人間の陥りやすい退屈を解消させようとする、気晴らしの道具を提供する消費文化が蔓延しています。次々に登場するおいしい店や『有益な』新刊本の紹介、短期間のうちにわずかに『改良』される、携帯のモデルチェンジや大量生産の洋服に生活雑貨、次々と課される『あなたの賜たまもの物を活かすべき』奉仕など。それらは概ね、生産者が売りたいと思うものしか市場に出回っておらず、管理側の都合によってコントロールされるもので、完売と同時に生産終了となるような、サイクルの早い・寿命の短い・目まぐるしいものです。それのどこが個性的なのか、何が新奇なのか、果たして信仰的なのかわからないまま、私たちは『オンリーワン』で『信仰的』であるようにと、『最新』の機種を情報を手にしておくようにと、強要される社会のただ中に生きているのです。そこには似たようなものの数はあふれていますが、欲しいものはありません」

 「たとえば、こんな経験はありませんか? 聖書通読はとにかく新旧約聖書ともに二章ずつ、毎日きちんとやる。そこに内容を咀嚼した満足感はない、ただ毎日の日課をやり遂げたという『結果(記録)』と、それに対する安心感はある」

 「これらは、物事そのものを受け取り、味わうということより、別のもの(観念や記号)を受け取って、次に受け取る物を探索し先を急ぐという、終わりのない消費社会の構図です」

【690円(本体627円+税)】
【いのちのことば社】

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