【雑誌紹介】 教会は信徒にもっと「投資」を 『聖母の騎士』12月号

 来日して26年という聖ザベリオ宣教会・レナト神父による連載「ある宣教師の視点――停滞している日本の教会」。最終回のテーマは「共に歩んでいきましょう」。

 「日本の信徒の皆さんの教養レベルは高く、また社会で責任ある立場にいる方がたくさんおられます。その方々の力をさらに発揮できるように、日本の教会は、信徒の方にもっと『投資』すべきだと思います」

 「今、東南アジアの国々からたくさんの若者が、働くために、また勉強のために来日しています。かれらに対してどのような配慮がなされているでしょうか。言葉や文化の違いを超えて相互の交流がよく行われているでしょうか。かれらを信仰の仲間として迎え、そのための環境づくりに手を尽くすことは大切です」

 「教会にも団塊の世代の人たちがたくさんいます。この方たちは、自分たちを『高齢者』としてではなく、長年社会にあってさまざまの貢献をしてきた経験者として、同世代の人たちへの福音宣教者となれないでしょうか。洗礼によって、信仰を得たことによって自分が変えられ、豊かな人生を過ごしていることを分ち合う、つまり福音の価値観を生きる証しとなるのです」

 「日本の教会の信者人口は女性が多いし、実際に教会に通い、時間的に奉仕している信徒は多くが女性なのに、小教区の信徒会長はほとんど男性です。なぜでしょう。また女性は聖体奉仕者やカテキスタに任命され、聖書朗読奉仕をしているのに、なぜ成人女性の侍者は少ないのでしょうか」

 「全世界と同じように日本でも司祭・修道者の召命減少は大きな心配事です。しかし、それと同じく心配なのは日本の教会の信徒数です。もう長い間、受洗者数は停滞したままです。受洗者数が少ないという現状に対して、祈りと共に、人材を育て養成し、今の社会の現状に沿った企画や組織が必要ではないでしょうか。宣教司牧におけるどの課題についても、それに対応するのに欠かせない、優先すべきは『人材資源』への投資ではないでしょうか」

【本体225円+税】
【聖母の騎士社】

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