【雑誌紹介】 クリスマスは高齢者の物語 『信徒の友』12月号

 連載「70歳からのキリスト教 聖書世界をトレッキング!新約編」で「安らかに去る」と題して大澤秀夫(日本基督教団隠退教師)が言う。

 「『クリスマスは、私たち高齢者の物語でもあるのですよ』と、老人ホームのクリスマスで四竈(しかま)一郎先生が話し始めた時、私はビックリしてしまいました。クリスマスは子どもたちのものだと、私はすっかり思い込んでいたからです。今から47年前のことです」

 「地上の生涯が永遠に続くことが、私たちの目指す目標ではありません。イエス・キリストの『いのち』につながるところに永遠があります。私たちの地上の生涯においてイエスの『いのち』が現れ出ること、そこに私たちの慰めと希望があります。イエスにおいて古い自分に日ごとに死ぬ者にこそ、イエスにつながる新しい一日が与えられます」

 「クリスマス降誕劇のクライマックスは、赤ちゃんのイエスさまを中心に、マリアとヨセフ、天使と東方の学者たち、宿屋さんと羊飼いたちが勢ぞろいする場面です。しかし、今年のクリスマスには、年老いた者たちを加えましょう。老人たちに囲まれて、私たちの希望である主イエスは、世界においでになりました」

 日本基督教団教師(引退)の山口雅弘は特集「洗礼者ヨハネの道備え――アドベントからクリスマスへ」の中で「荒れ野の洗礼者とイエス」と題し、次のように述べる。

 「現在も居場所がなく社会の周縁に群れる若者、ネットカフェで生きる青年がいます。日々の食物も得られない路上生活者、病気でも病院に行けない人、名前も知られず路上で死を迎える人、性暴力や差別、孤立などのため希望が見えず、自死する人が絶えません。悲しい現実です」

 「しかし、その人々と共生しようと精いっぱいに生き、行政の変革を求め、荒れ野の現実であきらめずに活動する人々がいます。私たちは、そのような生き方を『私にはできない』と嘆き、自己中心であると自己否定する必要はありません。何歳になっても、失敗や過ちを重ねても、自分にできることは必ずあります」

【600円(本体545円+税)】
【日本キリスト教団出版局】

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