【雑誌紹介】 信者の後押し、もっとあれば… 『カトリック生活』3月号

 同誌は今号をもって休刊となるが、短い「編集後記」を除き、読者に対する編集者からの表立ったコメントやあいさつは特にない。その「編集後記」で同誌編集長の関谷義樹(サレジオ会司祭)が次のように言う。

 「本号をもちまして『カトリック生活』は休刊となります。現実としては廃刊でしょう。これまでの膨大な積み重ねはどこにいくのでしょう。み心が行われますように」

 連載「〝キリスト者〟と〝思想〟の交差点」で、来住英俊(御受難会司祭)が「カトリック雑誌というメディア」と題して16年に及ぶ連載を振り返る。

 「『カトリック生活』が終刊になったのは、活字メディアの衰退という大きな流れの中にあることは確かで、終刊は時間の問題だったと思う。それはわかっているが、カトリック信者の後押しがもっとあれば、もう数年の寿命を保たせることは不可能ではなかったとも思う」

 「カトリックの施設は続々と閉鎖されている。御受難会の福岡黙想の家も閉鎖した。こういうときに、時代の流れだとか、新しい使徒的活動に移行するチャンスだとか綺麗事(だと思う)を言って流さずに、どうすればもっと長く続けられたのかを執拗に具体的に考えることには、無駄ではないと思う」

 「雑誌を続けるためには、定期購読者を増やす必要がある。そのためにはキャンペーンをする。私の考えでは、この雑誌はいいものだから購読してくださいというアピールは、あまり効き目がない。この雑誌を維持することはカトリック教会のために必要だから(自分はほとんど読まなくても)購読してほしいというアピールのほうが、効くと思う。ポイントは、宣教である」

 「私は『カトリック生活』の一〇〇〇号記念のために『家族に手渡せるカトリック雑誌』というキャッチ・コピーを考えたことがある。『カトリック生活』は内容的にもノン・クリスチャンに親しみやすい記事が割合に多い。また、ビジュアル的に考えても、今あるカトリック雑誌の中では、最も宣教に配慮した雑誌だと思う。カトリック信者全体にこうアピールしたら、どうなっただろう」

 「『宣教のための雑誌だということを考慮して、自分は読まなくてもいいから購読してくれませんか』」

【220円(本体200円+税)】
【ドン・ボスコ社】

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