【雑誌紹介】 「待つ」のではなく「出ていく」 『福音宣教』4月号

 正覚寺住職の鵜飼秀徳とフランシスコ会士の伊能哲大によるフォーラム「対談 宗教界の経済困難(2)――地域創生をどう担うか」。

 鵜飼が問う。「クリスマスと結婚式はがっちりキリスト教が押さえているのに、なぜ最後の死の部分だけ押さえきれていないんだろうと思います。そこを私は疑問に思っているんです。最後は仏教が一般的です。初詣、神棚は神社ですが、死の部分は教会でもなければ神社でもないし、新宗教でもない。仏教なんです」

 葬儀会館での家族葬が増えていることを踏まえ、伊能が答える。「教会としてはどうやって死をもっと意味のあるものとして見ていくかということ、その働きかけが必要だと思っています。人々の意識がだんだん変わってきています。特に、子どもたちはもう都会に行ってしまっているし、親だけが地方に残っている、ということになると、子どもたちはもう地域共同体とは離れてしまっています。だからできるだけ地方的な煩わしさのないところを望むので、地元を離れた子どもたちへのアプローチはほとんどできません」

 鵜飼が応じる。「お寺でもそれはまったく同じです。でもそこで効果的なのが、子どもたちが戻るのを待つのではなく、住職の方が年に何度か都会に出て、東京で法事をする、というやり方です。地域の県人会みたいな感じで、お盆やお彼岸に、お坊さん何十人かがバスで東京の大きな寺院に行き、地域同窓会を兼ねて合同法要をします。お坊さんの方が動く。これが非常に評判よくかつ檀家離れの歯止めに貢献しています」

【660円(本体600円+税)】
【オリエンス宗教研究所】

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