【雑誌紹介】 神からの贈り物を拒絶した教会 『季刊・教師の友』2024年10、11、12月号
特集「プレゼント 贈る喜び、受ける喜び」。加藤俊英(日本基督教団下関西教会、下関彦島教会牧師)の「クリスマス・プレゼントって?」。
「今から一〇〇年近く前の一九二六年一二月二五日、時の大正天皇が死去しました。死去がクリスマスの時であったことから、警視庁は『降誕祭は基督の降誕を祝福すべき祭礼にして祝福の意味に於て讃美歌を合唱するは歌舞音曲停止の趣旨に反するものなり』との見解によってクリスマスの祝いを差し控えるように求めました」
「これを受けて、たとえば日本メソヂスト教会は監督名で教会のクリスマス礼拝や集会について『厳粛に執行すべきは勿論、聖楽讃歌の如きも高調軽快なるは一切遠慮然る可く、万事に謹慎敬虔(けいけん)の態度を失わざる』ようにと教会に対して文書を発しました。その結果、教派を問わず国内のほとんどのキリスト教会がクリスマスの集会やクリスマス祝会を開催せず、二六日(日)の礼拝では賛美歌や奏楽すら見合わせる教会がありました。まさに政治的状況の中で、国家との関係の中で、救い主という神からの贈り物を拒絶したと言えるのではないでしょうか」
「そして将来、同様の状況に置かれた時に、日本の教会はどうするでしょうか。同じように神からの贈り物を拒絶するかもしれないと、私は思います。そのような弱さを私たちが持っていることも、クリスマスの時に覚えたいのです」
【本体1,527円+税】
【日本キリスト教団出版局】