【雑誌紹介】 「休息の祝福」を発信する 『BIBLE&LIFE 百万人の福音』8月号
特集「サバティカル――人生の『夏休み』いかがでしょうか」。
インマヌエル高津キリスト教会牧師の藤本満が、「旅はまだ長い――だから休む」と題するメッセージで、牧師の「燃え尽き」を危惧する。
「牧師が燃え尽きてしまう、それも一瞬にして。ガス欠状態が長く続いていたのかもしれません。兆候はあったのかもしれません。でもそうなったときには、すでに遅いのです。実際に燃え『尽きて』しまうものです。私はそういった例を見てきました」
「牧師には、独特なプレッシャーがあります。私自身牧師を四十年やっていて、牧師職のストレスの内実をうまく表現できません。おそらく、それが『人との関わり』の職であり、実績や数字には出ない仕事であることが大きな要因ではないかと思っています」
「人の目を気にしすぎたら、神に仕えることはできません。しかし、人の気持ちへの配慮に欠けているような、独りよがりな牧師にはなりたくありません。その匙(さじ)加減が難しいのです。この難しさに慣れてしまったら、牧師は開き直って振る舞い、丁寧でなくなります。自分を出し過ぎて、人間味のある牧師だと思っているのは、実は自分だけで、周囲には嫌気をさされていることもあります」
2008年に牧会奉仕を辞し、福井県坂井市で休息と静まりの家「みくに・ひとやすみ」を始めた高橋伸多(日本同盟基督教団支援教師)。「良く働くためによく休む――信仰生活の健全なリズム作りを」の中で、「日本の社会は『同調圧力』が強く、ひと(他人)が働いているときに自分だけ休むことはできないと感じて、休むのを自粛してしまう傾向が強い」と指摘する。
「そういう考え方は仕事の効率を下げるだけでなく、一人ひとりの個性や事情を大切にできず、個々人の尊厳を傷つける結果ともなっているのではないでしょうか。人は人、自分は自分と思えず、それはわがままだと考えてしまう。それでは、心身を休めるだけでなく、視野や経験を広げたり、仕事以外の感性が育つ時間を得たりして、神が私たち一人ひとりに与えてくださった創造性を発揮する、そういうことも難しくなります」
「これは日本の社会が抱えている問題であるだけでなく、率直に言ってその影響の中にあるキリスト教会の問題でもあると思っています」
「教会のプログラムが『研修』や『会議』などの時間でぎっしりで、神が創造された自然や四季の移り変わりを味わったり、友との交わりを楽しんだりして、心を憩わせる時間が少ない。そんなことはないでしょうか。自分が働かないと、神の御業(みわざ)も進まないという思い込みに陥ってはいないでしょうか」
「教会こそ、休息の祝福、休息の文化を、神を知らないこの異教社会に発信してゆく基地となる必要はないでしょうか。地の塩、世の光として。それは福音宣教の大切な一部でもあると思うのです」
【690円(本体627円+税)】
【いのちのことば社】