【雑誌紹介】 ミッションは終わったのか? 『福音宣教』10月号

月間テーマ「ともに歩む教会とカトリック学校」。今年4月に都内で行われた第36回「校長・理事長・総長管区長・司教の集い」より、山内保憲(イエズス会司祭)の講話「学校現場での『シノダルなプロセス』の進め方」。
「『シノドス』は、『ともに歩む』という意味ですが、『司祭が信徒とともに歩んであげる』、そういう意味の『ともに歩む』ではありません。逆です。『信徒が、教会のリーダーたちとともに歩んであげる』プロセスだと思います。教会のリーダーたちは、信徒や信徒以外の人々にともに歩んでもらうことを通して、教会全体の構造的な回心を助けてもらう。これが教皇フランシスコの非常に強い訴えなのだと理解しました」
「『シノドス準備文書』は、インターネットでもすぐに閲覧できます。シノダルなプロセスは、『旅』であると強調されています。『この旅は、硬直している組織に命を吹き込み、活力を与える』と示しています。具体的に、何をするのか。それは『聞き取り』と『識別』であると書かれています」
「そして、これは教会だけでなく、すべてのカトリックと名のつく共同体で、引き続き進めていかなくてはならないプロセスです。『霊における会話』のプロセスを、私たちすべての学校共同体で進めていかなくてはならないのです。そして、『霊における会話』を通した『共同識別』に取り組まなくてはなりません」
「私たちの学校は神のミッションに向かって成長しているのでしょうか。どこか快適な領域、例えば「ある程度進学してくれる子どもたちがいて、定員割れも起きていない、そこそこの大学に進学してくれている、今のところうまくいっていて、快適な領域にこのまま留まっていたい」など、ルーティンに留まっていないでしょうか。五〇年前のシスターが始められた行事を、私たちは今年も絶対に忠実に引き継ぐ、それだけのために全精力を注いでいないでしょうか」
「またある人は『私たちの学校のミッションはもう終わったのではないでしょうか』と言うかもしれません。本当にミッションが終わったのでしょうか。では、なぜ世界には戦争があり、経済格差があり、気候変動の問題があるのでしょうか。私たちの福音化のミッションはまだ終わっていないのではないでしょうか」
「変化に対応できず、変化を拒む共同体は、命を失っていきます」
【660円(本体600円+税)】
【オリエンス宗教研究所】