【雑誌紹介】 礼拝に来る者を分断する教会 『信徒の友』10月号

 特集「新来会者を迎えよう」。「まだ出会っていない誰かのために」と題し、東京・更生教会牧師の山口紀子が言う。

 「その日。新来会者があなたの教会を訪れる日は、突然やってきます」

 「もう何年もあなたの教会に新来会者がいなかったとしても、町自体に人が少なくなっているとしても、牧師がいないとしても。進学で、就職で、結婚で、転勤で、移住で、新たにあなたの町の住民になる人もいます。まだ出会っていないだけなのです」

 「ご自分が初めて教会にいらした時を思い出してください。そして、備えましょう。主があなたの教会に託そうとしておられるひとりの魂のために」

 「御言葉を語るだけが『宣べ伝え』ではありません。私たちが御言葉を生きているか、生きようとしているかが問われています。それが伝わっても伝わらなくても、励むのです」

 「まず私が、御言葉を生きることです」

 連載「世界の教会は今」。これまで10カ国50以上の教会で礼拝に出席してきたという藤守義光(日本キリスト教協議会総務)が、特集に関連して、諸外国の「受付のない教会の新来者の迎え方」を紹介している。

 「日本の教会の受付は、実は礼拝に来る者を、『教会員』『求道者』『新来者』のように分断してしまってはいないでしょうか。それはいわば親切心でしょうが、日本で初めての教会を訪ねたときに感じる妙なアウェイ感は、どうも教会に入った初っぱなからお客様として括(くく)られてしまうところにありはしないかと思うのです」

 「日本の教会は『新来者』というカテゴリーで一つの壁を作ってしまっている気がします。私の経験した諸外国の教会は、いわば新来者をお客様として特別扱いせず、初めて来た人も、長く在籍する教会員も同じ一礼拝者として扱っているということです。初めてなのだけれども新来者だと意識させない、そしてこちらが求めれば、手が自然と差し伸べられる。その自然で絶妙な距離感は、なかなか日本では経験できないものでした」

【700円(本体636円+税)】
【日本キリスト教団出版局】

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