【雑誌紹介】 いのちに優劣はない 『信徒の友』1月号

特集「神・人間・尊厳」。色鉛筆画家のいうちちひろ(甲東教会員)が「いのちに優劣はない」と題して証しする。
「私に『先天性骨形成不全症』という診断名が付けられたのは、6歳のときです。以来、小学校1年生から中学卒業まで、自宅から約30キロメートル離れた肢体不自由児療育施設で暮らすことになります」
「卒業後は地元の普通高校への進学を強く願っていましたが、周囲の促しにより、さらに場所を隔てた全寮制の養護学校へ進むこととなりました。なぜ私たちは、家族や生まれ育った場所(コミュニティー)から切り離され、度重なる隔離を強いられなければならないのか。その思いが心から離れませんでした」
「かつての私は『保護と管理の対象』でした。たしかに、食事が提供され、寝る場所を与えられることによって、生かされてはいました。けれども、そのときの私は、生きてはいなかったのです」
「尊厳とは、単に身体が維持されることではありません。その人の意思が尊重され、社会の構成メンバーとして大切にされること。一人ひとりのユニークな個性が発揮される機会があること。それが、尊厳を守るための基盤となるのです」
「今も、『健常者を「優」とし、障害者を「劣」とする価値観』が存在してはいないでしょうか。優生思想は、時代と場所を問わずにあり続けています。けれども、私ははっきりと言います。いのちに優劣などないのです」
【700円(本体636円+税)】
【日本キリスト教団出版局】