【雑誌紹介】 本を手に取る喜びを 『BIBLE&LIFE 百万人の福音』2月号

特集「手渡しの福音――文書伝道の灯を消さないために」。特集の冒頭に、一般書店とキリスト教書店の実情調査が掲載され、書店数の減少の実態を同誌編集部が伝えている。
「全国の書店数は現在一万九一八店と、二十年前の約半数まで減っている」
「出版文化産業振興財団の二〇二四年八月の調査によると、地域に書店が一つもない自治体の割合は、全国一七四一の自治体のうち実に二七%、一書店のみの自治体を加えると四七%と半数近くにまでなる。なかでも、沖縄県、長野県、奈良県の三県は、書店がない自治体が県内の過半数を占める結果となった。対して、県内すべての自治体に書店があるのは、広島県と香川県のわずか二県にとどまる」
「キリスト教書店の現状も、一般書店と同様に厳しい。二〇〇〇年以降、文書伝道団体の解散や出版社の廃業などが続き、二十年前には全国に百二十近くあった書店の数が、現在は三分の二以下まで減っている」
「個別に見ると、県内の書店数がゼロになったのは八県。四店以上ある都道府県は九つから三つにまで減少した。多くの県で減少傾向が見られる中、東京都も例外ではなく、二十四店あった二十年前の半分以下となっている」
「インターネットの普及により、わざわざ書店に出向かなくても本が買えるようになり、電子書籍であれば届くのを待つ必要もない便利な時代。しかし、その陰で失われていくものもあるのではないだろうか。書店で、そして物としての本を買うことで味わう、手に取れるからこその喜びがあるはず」
神戸改革派神学校校長の吉田隆(日本キリスト改革派甲子園教会牧師)が「〝手渡し〟の福音」と題してメッセージを語る。
「時代は変わった。聖書を読むのも、賛美歌を歌うのも、説教でさえも機械に頼る時代が来つつあるようだ。私は文明の利器を否定しない。そもそも宗教改革という出来事も、印刷術というIT革命がなければ、あれほど広まることはなかったであろう」
「が、それにもかかわらず、私は紙媒体としての文書の意義は決して失われていないこと、否、むしろ人間の思考にとって、そしておそらくは信仰にとっても、福音という神のメッセージを理解し伝える上で文書は不可欠だと(決して強がりではなく!)深く確信しているのである」
【690円(本体627円+税)】
【いのちのことば社】