【雑誌紹介】 教会は共感を得ていない 『福音と世界』3月号

 大嶋果織、工藤万里江、堀江有里、渡邊さゆりの4人が聞き手を務めるインタビューシリーズ「女たちの闘い――声をつむぐ、織りなす」。10回目は、「キリスト教会の孤高をめぐって」と題し、在日大韓基督教会大阪教会オルガニストの金必順(キム・ピルスン)に話を聞いている。

 「私が、教職についたのはもう五〇歳の時でしたので、それまでの人生の方がずっと長いです。教職につくに至る一番大きな要因は、私が在日韓国人として生まれたことだったと思います」

 「私は早く、大学四年生で結婚して、三〇代の半ばで離婚しました。その時、韓国伝来の儒教的な結婚観が私自身に通じなくなったことを経験しました。この経験を通して、教会の中でも、離婚した女性に対する蔑みというのか、離婚した人が非常に弱い立場に置かれるということを経験しました」

 「離婚によって、結婚式で生涯一緒にいると約束をしたのにそれに反したということと、男性に従わない女なのだというレッテルを貼られたと思います」

 「私は、キリスト教会が、孤高であるように感じるのです。私の感じなのですが。人々の共感を得ていないのではないかなと感じるのです。教会は、人々の共感を得ていない。教会で語られている言葉も音楽も難しいと思うのです。かといって大衆迎合するのも違うと思っていますが。ただ、自分も含めて、人々の必要に食いついていく感じがしないんですね。別世界のような感じがします」

 「私は教職はヨイショされるだけヨイショされて、信徒に甘えているなあ、と思うし、信徒は優しいからいつまでも甘えられる。自分にヨイショしてくれる信徒だけを見ていたらダメで、もっと広い世界を見ないとダメだと思っています。信徒は本当に優しいので、とことんしてくれる、それを教職者は知っていないとダメだし、本当に困っている人と接していく努力をしないといけないと思う。そういう努力をしないから孤高になっていくのではないかと思います」

【660円(本体600円+税)】
【新教出版社】

書籍一覧ページへ

  • 聖コレクション リアル神ゲーあります。「聖書で、遊ぼう。」聖書コレクション
  • 求人/募集/招聘