【雑誌紹介】 自分の源を知る 『福音宣教』5月号

 月間テーマ」ユダヤ教、キリスト教とパレスチナ」。金井美彦(日本基督教団砧教会牧師、立教大学兼任講師)が「モーセ五書におけるシオニズムの起源」と題する論考の最後に指摘する。

 「正しさは時と場所によって変わるのであって、折々の判断が極めて大事なのだが、神の言葉として聖なる言葉とされた聖書は、その正しさを疑ってはならないことになり、後にキリスト教自身も旧約的な排除、時に殲滅の思想を実現してしまう。これはイエスの批判を忘れた姿である。イエスは以下の二つを最も重要な教えとして強調した。神を愛し、隣人を愛することである。わかりやすく言えば、自分の源を知ること、そしてその源はだれにも共通なのだから、互いに尊重しあうこと、これに尽きる」

 「ジェノサイドと無差別な殺戮が行われている現代の世界情勢の中、真の平和的共存の可能性はどこに見出せるのだろうか。それはもちろん、イエスを頭とする教会である。これは今もなお地上世界の要である。この要を通じて、国家を含むそれぞれの『私たち』が相互に謙虚となり、互いに連携しあうことによって、必ずや道は開けると私は信じている」

 金子由佳(立教大学兼任講師、国際協力NGO職員)は「パレスチナにおける援助の限界と役割」の中で、ガザ地区の親友からのメッセージを紹介している。

 「『私たちは今も苦しみ続けています。気持ちを言葉にしようとするたびに、叫びたくなります。瓦礫や石と入り混じった幼い子どもたちの遺体が目に焼き付いています。……子どもたちがぐちゃぐちゃに潰されて亡くなった様子を見たり、母親たちが泣き叫んでいるのを見るのは、もう耐えられません。最近、自分自身を見失ってしまいました。もう自分自身がなんなのかも理解できません。』」

【660円(本体600円+税)】
【オリエンス宗教研究所】

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