【雑誌紹介】 隣人も神に愛されている 『教師の友』季刊10,11,12月号

連載「子どもと共に聴く十戒」。及川信(山梨教会牧師)が「真の自由に生きよう」と題して、第六戒「殺してはならない」を取り上げる。
「私たちは自らの、あるいは世の中が作り出すさまざまな欲望の奴隷になりながら、そのことにまったく気づかず、自分は自由だと思っています。人間が人間を殺す理由の根本も、ここにあるのではないでしょうか。欲望の奴隷であることから私たちを解放するのが十戒なのです」
「前文を含め、十戒全体も『隣人を自分のように愛する』ことにかかっています。神さまは、全ての人間をご自身の命をかけて愛しています。だからこそ、私たちは隣人を殺すはずがないのです。私たちはみんな、神さまの愛にとらわれています。隣人も同じように、神さまに愛されています。そうであるなら、人が人を殺すはずがありません。神さまを愛する人間は、神さまが愛して止まない人間を殺すはずがないからです」
「十戒の前文は、神さまの愛が一人ひとりの人間に注がれていると語ります。ですから、私たちが隣人を憎むということは、神さまを憎むということです。それは、私たち自身も神さまに愛されていることを否定する行いです」
「教育委員会だより」で阿部倫太郎が教会学校の課題として①子どもの減少、②奉仕者の減少、③活動のマンネリズムを挙げる。
「私が関わっている和歌山地区でも、約半分の教会学校が休校・閉校しています。開校していても、平均出席者は〇~三人です」
「ある教会は、主日礼拝を近隣の教会でささげています(合同礼拝)。それでも、教会学校の時間帯は自分たちの教会を開いて来会者を待ち、教会学校の礼拝をささげています」
「過去五年間、この教会学校に子どもが出席したことはありません。毎週教会学校の礼拝と分級の準備をしているスタッフは、『もう今週で終わりにしよう』と何度も思ったそうです。すると不思議なことに、近隣の方、外国の方、合同礼拝に出られない教会員が教会学校の礼拝に招かれるのです」
同誌は次号(2026年1、2、3月号)をもって休刊となる。教会教育に関する情報は、新たに立ち上げるホームページで発信を続けるという。ホームページの開設は2025年末の予定。
【本体1,527円+税】
【日本キリスト教団出版局】