【雑誌紹介】 教会は内側から崩壊する 『季刊 教会』139号

川島直道(錦ヶ丘教会牧師)による巻頭論壇「全国連合長老会と地域連合長老会」。
「牧師の人事について、こういう話を聞いたことがある。ある教会で牧師の辞任に伴い、招聘委員会が組織された。招聘委員会は、人伝てで○○教会の牧師の評判を聞きつけ、委員を現地調査に派遣する。観光客を装い、主日礼拝に出席(潜入?)し、説教やその人柄を調査し持ち帰って招聘委員会に報告する。そこで選定された牧師に個別に面談を申し入れ、条件等を提示し、やがて内諾を取り付ける。まるで企業のヘッドハンティングである。果たしてそのような人事を信仰を持って受け入れることができるだろうか。自分たちが見つけ獲得した牧師ということであれば、自分たちの意に適わないと思えば簡単にお役御免にもなるのではないか。しかし合同教会である日本基督教団においては、そのような人事も当たり前のように行われており、連合長老会とてそれは対岸の火事ではない」
「根はもっと深いところにある。それは教会にイエス・キリストのご支配が見えていないことである。教会がキリストの体として機能していない。それゆえ御心よりもこの世の論理、価値観に従い、人間的な支配に終始振り回されてしまう。それはもはや教会ではなく、単なる人間の集団である。これは致命的ではないだろうか。もしそれを是正する術を持たず、教会が内側から崩壊していくのをただ黙って眺めているだけならばそれは不幸としか言いようがない。またいくら牧師個人が正しい教会観を持っていたとしても個人の能力によって改善するのも限界があるだろう。改革長老教会協議会は、このような混迷する日本基督教団において、少なくともこの現状を憂い、キリストの御体を地上に現すために、長老制度の確立を目指し協働する仲間である。この存在はもはや必然ではないだろうか」
【1,100円(本体1,000円+税)】
【日本基督教団改革長老教会協議会】