【雑誌紹介】 リードオルガンを次世代へ 『礼拝と音楽』季刊208号

日本キリスト教団出版局の事業整理に伴い4月発売の次号209号をもって休刊になる同誌。今号の特集は「リードオルガン再発見」。リードオルガンの特集は2012年秋号以来およそ13年ぶりだという。「『足踏みオルガン』として親しまれてきたリードオルガンは、戦前戦後にわたってこの国の教会の礼拝音楽を支えてきました。そして今、この楽器がもつ豊かな可能性に教会を越えて熱い視線が注がれています」と。
善通寺教会オルガニストの中村証二が「リードオルガンの歴史と発展」の中で述べる。
「日本での導入当初から、リードオルガンには、『代用品』のレッテルが付けられました。学校ではピアノ、教会ではパイプオルガンに手が出ないので『仕方なく』リードオルガンで我慢という思いがどこかにありました。……十分に調整し、正しい奏法で適した曲を弾く時、リードオルガンがいかに魅力的かを見抜いていたのは、大中寅二などごく少数の例外だけだったのです」
「今世紀はじめ、リードオルガン製造の灯が世界から消えました。ヤマハが製造を止めて以降、唯一の現役工房であったイタリアのデルマルコ社が閉じたのです。しかし不思議なことに、その頃からリードオルガンやハルモニウムが世界的に再評価され始めています」
日本リードオルガン協会が「リードオルガンと仲良くなるために」でメンテナンスと奏法について解説している。
「近年、再評価され、教会だけでなく全国各地の様々な音楽シーンに登場することが増えてきたリードオルガン。WEB上にも多数の演奏動画があがっています。しかし、リードオルガンの持ち味を発揮した演奏は稀です。修復が不完全な傷んだ楽器を無理やり弾いている様子が伝わってくることもあります。リードオルガンが広く関心を集めているのはうれしいですが、本来の持ち味が認識されないまま、ちょっと珍しい鍵盤楽器程度の扱いで終わってしまうとしたら、残念です」
「リードオルガンは全世界で製造が停止してしまいました。現存するリードオルガンは一台一台が貴重です。これを良い状態で次の世代へ継承することは、この楽器によって黎明期の歴史を支えられた日本の教会の、大切な課題だといえるのではないでしょうか」
【1,500円(本体1,364円+税)】
【日本キリスト教団出版局】














