【書評】 『学校犬バディが教えてくれたこと』 吉田 太郎

「学校に犬がいたら…」夢のような話を実現させた先生の熱意と努力
「学校に犬がいたら楽しいだろうなあ」という子どものひと言をきっかけに、2003年から立教女学院小学校で「動物介在教育」を始めた著者。初代学校犬バディが同年に初登校してから2015年に最期を迎えるまでを、23のエピソードを通して紹介する。
子どもたちはバディに接することで優しくなり、自主的に静かにすることを覚え、集中力も高まっていったという。バディの存在は、不登校の子どもや足の不自由な子どもにも元気を与えた。そしてバディの死を通して、「いのち」の尊さについて真剣に考えることができたと著者は振り返る。
学校犬が実現できたのは獣医師やドッグトレーナーの協力だけでなく、何よりも著者の熱意と努力があったからこそ。「動物介在教育」を検討する学校の参考になるだけでなく、犬と人間の関係を見つめ直す機会も与えてくれる。
【本体1,400円+税】
【金の星社】978-4-32307-371-2