【書評】 『福音みーつけた!! : 「宗教」「倫理」を考えるために』 日本カトリック教育学会

マザー・テレサからレディー・ガガまで カトリック中高校の授業を拝見してみた
ミッションスクールの聖書科(宗教科)教員にとって最大の難題は、「カリキュラムがないこと」だと聞いたことがある。指導要領やお手本があるわけではない。各々創意工夫をしながら独自に〝開発〟するしかない。
そんな教員のために、頼れる教材が本書。日本カトリック教育学会の特別企画として、カトリック系学校の教員らが集う「宗教倫理教育担当者ネットワーク」の協力で作られた副読本だ。
タイトルには、「キリスト教が持つ福音を社会に紹介する」のではなく、「社会の中にある福音を授業に取り入れる」というねらいが込められている。公立校の「倫理」でも十分に応用できる。
マザー・テレサからレディー・ガガ、生命倫理から、環境、平和、差別問題まで、取り上げられている人物やテーマも多岐にわたる。
「中学編」「高校編」の2冊に分けられてはいるが、大人向けの信仰入門書としても活用できそうだ。
【本体600円+税】
【燦葉出版社】978-4-87925-126-8