【雑誌紹介】 「私、怒ってます」 『福音と世界』(6月号)

連載「ぼやき牧師のさすらい説教録」15「災いだ、屍の上に富を築く者」で、富田正樹(同志社香里中学校・高等学校教諭、徳島北教会牧師)が「私、怒ってます」と言う。
「私が何に怒っているのか。この地上で、人の命を惜しげもなく奪う命令を下し続けている権力者たちに、腹が立って仕方がないのです。彼らは、弱く小さく傷ついた存在を助けるどころか、進んで人間を侮辱し、虐待し、殺害し、あろうことかそんな自分たちの行為を他ならぬ神が称賛してくださっているとまで吹聴するのです」
「そんな彼らを見て、イエスなら何と言っただろう? イエスならどうしたろう?」
「もちろん、自分の立場に引きつけて、『イエスならこうするはずだ』、『神はこう望んでおられる』などと言うのが危険であることは承知しているつもりです。それは、彼らと同じ轍を踏むことになりかねません。私たちが『神は私たちの側に寄り添ってくださるはずだ』と信じたいのも、彼らが『我々の戦いは、神によって守られている』と言うのも、第三者から見れば同じことなのかもしれません。みんな『神は自分の味方だ』と思いたがるのです」
「しかし、そうであったとしてもイエスは、弱く小さく傷つき殺されてゆく者の側に立つ人だったはずです。夥しい数の子どもを虐殺し、病人から医療を奪い、民から土地を奪い、生活のインフラを破壊する。そのような行為を命令している人間。そして、それを支持している人間に対する裁きはないのでしょうか。多くの命が奪われる暴虐を目の当たりにして、神は一体何をしているのでしょうか。こんな世の中を放置して、神など本当に存在するのでしょうか」
「キリストを信じる者は、怒ってはならないのでしょうか。いや、そんなことはないはずです。黙示録のヨハネだって、あんなに怒っているのですから。ヨハネと共に叫びたい。『アーメン、主イエスよ、来りませ』」
特集は「震災から15年――いま、何と向き合っているのか」。松谷基和(東北学院大学国際学部教授)、飯島信(日本基督教団小高伝道所・浪江伝道所牧師)、東野真和(朝日新聞釜石支局長)、金丸真(日本バプテスト連盟仙台長命ヶ丘キリスト教会牧師)、高橋悦堂(宮城県栗原市曹洞宗普門寺住職)、佐藤由子(日本基督教団仙台南伝道所牧師)の6人が寄稿している。
【660円(本体600円+税)】
【新教出版社】













