英YWCAが改称 「プラットフォーム51」 実態に合わせ決断 2011年1月29日
1855年に英国で創設されたYWCA(女子キリスト教青年会)。今では世界150国で活動を展開しているが、肝心の英YWCA(イングランドとウエールズYWCA=ヘレン・ウォラス理事長)が2010年12月、「プラットフォーム51」に改称した。ただ「YWCA・オブ・グレートブリテン」という包括団体の一員であることに変化はない。
156年にわたって、キリスト者の支援により財務的にも支えられてきたものの、これまでの名称では実態をもはや21世紀では表現しきれない、と改称を決断した。
新名称は「人類の51%は女性であり、少女も成人女性もわたしたちを、自らの意思を貫く場とする、というわたしたちの現在の姿とか、わたしたちの働きをより正確に表している」という。ウォラス理事長は同性愛活動家であり、「機会平等委員会」委員長でもあった。
英国国教会の年報には、「主要関係組織」として掲載されているものの、理事や運営責任者に教会関係者はいなくなった。
しかし、今回の改称と目的の中に「キリスト教」が消えたことに批判の声が上がっている。英国のキリスト教調査機関「クリスチャン・インスティチュート」のマイク・ジャッジ報道担当は、「公的助成を受ける慈善団体選定に際し、キリスト教への差別があると広く信じられている」ことを改称の理由と見ている。「YWCAを成長させたのは、それがキリスト教だからだった。その価値を捨ててしまうのは恥ずべきことだ」と言う。
キリスト教関係慈善団体で、名称からキリスト教を外す動きの例として、英国ではスコットランドの「ホームレスのための教会行動」がある。09年に検討を始めたが、それも寄付を受けるのに宗教がらみが障害になるからだ、と理事長が語ったのが契機となった。
YWCAと並び称されるYMCA(キリスト教男子青年会)に同様の動きはないのか。昨年、米YMCAが「ザ・Y」に呼称を変更したものの、YMCAであることを捨てたとはしていない。(CJC)