新教皇に課題山積 アルゼンチン軍事政権加担の疑い 2013年4月6日

 新教皇フランシスコが、母国アルゼンチンで1976年から83年にかけて起きた「汚い戦争」当時、軍事政権により拉致・拷問された司祭2人を守れなかったとの批判が浮上している。

 中南米出身者としては初めての教皇だが、修道会「イエズス会」のアルゼンチン管区長を務めていたホルヘ・マリオ・ベルゴリオ枢機卿時代は、右翼軍事政権によって3万人とも言われる市民が死亡または行方不明となり「汚い戦争」と呼ばれる事態の最中、「イエズス会」の司祭2人も拉致、拷問施設へ連行されたとされる事件で、2人の身柄拘束に関与したとの疑惑がかけられている。

 アルゼンチンの作家オラシオ・ベルビツキー氏は、「軍事政権による取り締まりへのベルゴリオ氏の関与」を指摘する証言者がいると言う。新教皇は、この疑惑を否定し、司祭2人の釈放を軍事政権の指導者に要請したと反論してきた。

 バチカン(ローマ教皇庁)広報事務所長のフェデリコ・ロンバルディ神父は3月15日、「信頼性の高い具体的な告発はこれまでにない。アルゼンチンの司法当局は、彼を何の罪にも問うた事はない」と述べ、ベルゴリオ氏の事件への責任を問う動きは「よく知られている」が、カトリック教会の信用失墜を狙った中傷的な運動に過ぎないと指摘した。教皇は「独裁政権下で人々を救うために尽力した」と強調している。(CJC)

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