化石燃料関係の投資引き揚げ 米ユニオン神学校 2014年6月28日

 ニューヨークのマンハッタン地区北西部にあるユニオン神学校が6月10日から、1億840万ドル(約108億4千万円)の資産のうち、化石燃料関係への投資全額を引き揚げる計画を開始した。石油・石炭を中心とした化石燃料が気候変動という「罪」を犯しているとして、その償いの一端とする。

 「聖書は、世界のすべてが神の尊い創造であり、そこでのわたしたちの位置は、全体の健全さに配慮し尊敬すること」であり「社会正義に献げられた神学校として、この世界でわたしたちの価値を全うするという重要な召しを受けている。気候変動は破滅的な脅威であり、神の創造の管理人として、ただ行動しなければならないのだ」とセレーン・ジョーンズ校長=写真。投資引き揚げは、理事会が一致して決定したもので、米国の神学校では、初めての措置という。

 ユニオン神学校は資産の11%に当たる約1200万ドル(約12億円)を化石燃料関係企業に投資している。同校はこれまでも、タバコ、アルコール飲料、賭博関係への投資には反対の立場を貫いてきた、と同校投資委員会議長のマイケル・ジョンストン氏。

 今回の措置は、この9月23日にニューヨークで開催される国連気候サミットに先立だって、同校が「地球のための宗教」会議を開催することにも関連づけている。

 1980年代、南アのアパルトヘイト(人種隔離)政策反対のために発動されて以来、投資引き揚げは米国の主流プロテスタント各派の戦略となっている。2013年夏には合同キリスト教会が、化石燃料企業への投資を引き揚げる決定を、主流教派としては初めて下した。少なくとも100の宗教団体、大学、市、郡などが投資を引き揚げたり、引き揚げを検討し始めているという。

 ユニオン神学校は、米国の革新的なプロテスタント神学校とされており、パウル・ティリッヒ、ラインホルド・ニーバー、ディートリッヒ・ボンヘッファーなども教えていた。現在、同神学校には学生250人が在籍、教授陣は30人。(CJC)

 

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