【速報】 ダビデ張グループ詐欺罪で起訴 米マンハッタン地方検察庁の家宅捜索経て 2018年10月12日

 米メディア各紙の報道によると、ニューズウィーク・メディア・グループ(NMG)の財務に関する2年半に及ぶ捜査が詐欺罪の起訴に至った。ニューズウィークの前の親会社が貸し手に対して1,000万ドル(約10億円)の詐欺を行った容疑。

 第一報を伝えたウォールストリート・ジャーナルによれば、容疑はマネーロンダリング、業務文書偽造、共同謀議が含まれる。 起訴状で挙げられた被疑者は、インターナショナル・ビジネス・タイムズ(IBT)メディアの共同創設者エチエンヌ・ウザク氏、クリスチャン・メディア・コーポレーション(CMC)の前発行人ウイリアム・アンダーソン氏、コンピューター会社のオイコス・ネットワーク社ら。

 起訴状によれば、IBTメディアは860万ドル(約9億6千万円)以上、CMCは150万ドル(約1億7千万円)を得た。この詐欺の一部としてカレン・スミスなる架空の監査人が仕立て上げられ、その署名を使って貸し手への詐欺が行われた。ニューズウィークの前の親会社であるNMGは先月組織を改編し、ニューズウィークをIBT(財経新聞)から切り離して独立部門とした。ニューズウィークの代表取締役はデヴ・プラガド氏、IBTメディアの代表取締役はジョナサン・デイビス氏。両氏はニューズウィークの共同経営者だが、10月10日に声明を出し、デイビス氏がニューズウィークの経営から離れ、エチエンヌ・ウザク氏はIBTメディアの共同経営者として残るものの、ニューズウィークの経営から離れたと伝えた。

 デイビス氏とウザク氏はIBTの共同創設者であり、同社は2013年にニューズウィークを買収。2017年に社名をニューズウィーク・メディア・グループ(NMG)に変更した。IBTに加えデイビス氏はNMG傘下でラテン・タイムズ、メディカル・デイリー、プレイヤーワンなどを経営。NMGは社名を再びIBTメディアに戻した。 起訴状には、2015年3月から2016年10月にかけての資金のやりとりの複雑な構図が示されている。「謀議の目的は、金融機関から詐欺的に資金を獲得し、使途を変え、資金源を隠匿し、貸付目的とは関係のない運転資金や他の債務返済に転用し、貸付枠を拡大するために信用力評価を維持することであった」という。

 マンハッタン地方検察庁は今年1月、ハノーバースクエア・ビル内のNMG本社を家宅捜索して18台のサーバを押収。報道では、同社がコンピューター機器の購入にあてた融資と、NMGとオリベット大学の間の資金の流れが捜査の対象であると伝えられた。オリベット大学は、ワールド・オリベット・アッセンブリーの指導者ダビデ張(張在亨=ジャン・ジェヒョン)とつながりがある福音派のキリスト教大学。アンダーソン氏はオリベット大学の評議員会委員であり、ウザク氏は同大学の前の会計責任者、また、副学長であった。オリベット大学は今回起訴されていない。ウザク氏は家宅捜索の2週間後にNMG会長を退いた。

 同社の財務部長である妻のマリオン・キム氏も退任した。 ウザク氏の弁護士マーク・アニフィリオ氏はニューズウィークの取材に対し、「ウザク氏はこのような根拠のない容疑を否定している。誰も1円も損していないことで、この事件は終わりだ。被害者はどこにもいない。この事件はでっちあげであると確信しており、裁判で否認する」と応じた。

ダビデ張(中央)が司式したエチエンヌ・ウザク氏(左)とマリオン・キム氏(右)の婚約式(2006年1月25日)

 

 地方検察庁は今年3月、オリベット大学でも家宅捜索を行った。ニューヨーク州ウィングデールにあるオリベット大学の不動産を改装するために同大学が設立したドーバー・グリーン社の広報担当者は、「地方検察庁は大学からは何も押収しなかった」と述べた。

 サイラス・バンス地方検察庁長官は声明で、「ウザクとアンダーソンは資金の出所を隠蔽するため会社の複数の口座に移して、コンピューター機器の購入に使われなかった資金を偽装した。資金の大半は、貸付の本来目的とは異なる日々の運転資金にあてた。資金の一部は、貸し手がこの計画に気づかないよう、他の借金の返済にあてることで、詐欺的に融資を受け続けようとした。貸し手に月々の返済を行うために、同じ貸し手から新たな融資を受けることもあった」と指摘した。

 捜査はマンハッタン地方検察庁・重大経済犯罪課が行い、ニューズウィークへの家宅捜索にはニューヨーク市警が協力。地方検察庁は、現在も捜査を継続中である。

 オイコス社の弁護士マイケル・バクナー氏は「オイコス社の活動はすべて合法的なもの」と述べ、それ以上のコメントは避けた。資金のやりとりに介在したオイコス社は、これ以外に特段の業務はほとんどなく、消息筋によれば同社はオリベット大学の背後にあるワールド・オリベット・アッセンブリーとつながりがあるという。CMCとアンダーソンは、大陪審(起訴陪審)が提出を命じた文書を作成しなかっため、司法行政妨害罪に問われている。

IBTロンドンの開設礼拝でのダビデ張(中央)とニューズウィーク代表取締役のデヴ・プラガド氏(同右)

ダビデ張グループ脱会者が緊急声明 消えぬ苦痛 報復に怯える日々 2018年10月11日

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