【次世代牧師座談会】後編 神学の学びと教会の未来 教派問わず取り組むべき課題とは? 2019年11月21日

【参加者】 *( )内は出身校

・日本聖公会東京聖テモテ教会牧師 太田信三(聖公会神学院)おおた・しんぞう 聖公会の家庭で生まれ育ち、洗礼、堅信礼を受ける。大学卒業後、働いた後に30歳で聖公会神学院に入学。

・日本基督教団聖ヶ丘教会牧師 藤井清邦(東京神学大学)ふじい・きよくに 銀座教会、長崎古町教会で牧会に従事。両親と祖父母がカトリック、妻の実家は福音派、祖母はペンテコステ派というエキュメニカルな環境で育つ。

・大井バプテスト教会牧師 広木 愛(西南学院大学)ひろき・あい 一度働いた後、イギリスの邦人教会で仕えたいとの志を持ち神学校に入学。現職に赴任して2年半。

・日本基督教団東中野教会牧師 浦上 充(関西学院大学)うらかみ・みちる 福井県・城之橋教会と併設する幼稚園に10年間従事し、今年4月に赴任。教団讃美歌委員。両親は元日本イエス・キリスト教団信徒、妻はカトリックの信徒。

・日本福音キリスト教会連合布佐キリスト教会牧師 児玉智継(東京基督神学校)こだま・ともつぐ 東京基督教大学(TCU)を卒業後、企業で働いてから神学校(現TCU大学院)に入学。今年9年目。

 次世代を担う30代の牧師たちは今、どんな課題に直面し、神学校での学びにどう支えられているのか。岐路に立つ教会として、時代の変遷にどう対応すべきかを語り合った前回(11月1日付)に続き、議論はさらに本質的な核心へ……。

「牧師中心」から「キリスト中心」へ
教会の違いは創造の多様性

地域に遣わされた教会

太田 僕は今、聖テモテ教会に住んでいるのですが、そこにずっといることはできません。執務室はありますが、別に管理している教会がありますし、教区での役割もありますので、一つの教会に集中するということは東京教区においてもありません。文京区の場合、二つの教会があるので、文京区に派遣されているという視点から、この二つの教会がどう地域にあるべきかという視点で考えています。牧師が足りないからという面が強いと思いますが、各個教会という意識はかなり薄くなっています。この前も三つの教会が一つに合併されて、ネガティブに捉えれば、教会が減ってしまうわけですが、教会はすごく元気になって、子どもも増えているということです。もちろん離れる人もいるでしょうが、そこに対するケアを他の教会も担っていくという意思が生まれているように感じています。

 牧師主導で教会形成をしていくということは私はよくないと思っていて、信徒が自分たちで教会を形成して、むしろ自分たちはクリスチャンとしてここに派遣されているんだという責任を負っていく、召命を自分で感じて果たしていく、それを一緒に支えていくことが牧師の役割かなと思っています。その三教会の場合は、都内にたくさんある聖公会の教会の中で、つながりのある他の教会の牧師や信徒さんがケアされたというのもありますし、牧師が何度も訪問して話す中で、そこに留まったという人もいるようです。

児玉 その場合に、会員を取ったとか、取られたというようなトラブルはないんですか?

太田 牧師によってはあるかもしれませんが、でもそういう時代ではないですよね。他教派であってもいいと思っているんですよ。一人でも多くの人がイエス様と出会えればいいわけで。教派とか教区とか教会の違いというのは、むしろ創造の多様性であって、来た人が「この人はあの教会の方が合うな」と思ったら、別の教会を紹介すればいいんです。それが僕たちの仕事じゃないですか。だから私たちがすべきことは、私たち同士が知り合っていくことなんです。お金のことは、後からついてくると信じるしかないですね。

藤井 教会を支えていくためには牧師の招聘制や年金の仕組みなどもきちんと整えなければいけな
いでしょうね。

児玉 私の奉仕している教会では、前任の先生が退職される時に、指定献金のような形でお願いして集めたと聞いています。何の保証もありません。良いか悪いかは別にしてですが、現状はそんな感じです。神様だけが頼りです。

――人事に関して日本福音キリスト教会連合(JECA)が介入するというのは?

児玉 ないですね。紹介程度です。どこの教会が無牧だといった形で情報を共有したり、交換しています。

――だいたい何年で転任という基準も決まっていない?

児玉 私の場合はまったく決まっていません。3年や5年で移る人もいれば、20年以上という方もいます。ただ前任者の影響力が残るという話はよく聞きます。引き際が大事だということを考えさせられます。

時代に合った教会へ

浦上 東京に来て衝撃だったのが、80代、90代の会員がとても元気だということ。地方の教会にいた時に接していた80代とは全然違っていて、80代の方でも電車に1時間乗って普通に通っているなんて、地方では考えられないことです。IT機器も使いこなしていますし。このまま年齢が上がっていくと、また全然違う世界が来るんじゃないかなと。

藤井 伝道が低迷している、受洗者が減っている、牧師の数が足りないとか、信仰継承がうまくいかないとか、いろんなことが言われて久しくなります。今までをしっかりと振り返り、それがどういう効果を生んできたか見直さなければいけないんじゃないかと。良いものは良いものとして大切に受け継いでいき、より良くしていけるものはしていった方がいい。それをやるためには教会員一人ひとりが、牧師中心の教会形成ではなく、「キリストを中心にした教会」としてやっていかざるを得ないだろうなと。そのためにみ言葉は必要だし、悔い改めが必要だと思います。

児玉 何らかの理由で教会から離れている人が結構いるんじゃないかなと思うんです。そういう人たちに、もう一度メッセージを届けられたらと思います。日本の宣教を考える時に大事な一つの要素じゃないかなと。

藤井さんがプロのイラストレーターに依頼して最近リニューアルしたという教会案内 案内図もおしゃれな観光ガイド風

*全文は紙面で。「前編」は11/1付に掲載。

【次世代牧師座談会】前編 神学の学びと教会の未来 いま、私たちに求められるものとは? 2019年11月1日

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