しょうじ・つとむ 8月25日、老衰のため逝去。88歳。葬儀は家族のみにより31日、日本基督教団大泉教会(東京都練馬区)で行った。喪主は長女悦子(えつこ)さん。
1932年神奈川県生まれ。日本基督教団稲城教会などで40年以上にわたり牧会に従事。日本キリスト教協議会(NCC)総幹事、高麗博物館初代理事長などを歴任。1970~80年代にかけて軍事化政権にあった韓国の民主化運動に金大中氏(後の韓国大統領)らと共に関わったほか、「原子力行政を問い直す宗教者の会」のメンバーとして、長年にわたって原発問題に取り組んだ。97年、世界教会協議会(WCC)代表団メンバーとして京都で開かれた「気候変動に関する国連枠組み条約第3回締約国会議」(COP3)にも参加。
共著書に『拉致問題を考え直す』(青灯社、2010年)、『朝鮮を見つめて』(高麗博物館、2009年)、『東アジアの平和とキリスト教』(新教出版社、1999年)、『新約聖書小辞典』(新教出版社、1989年)、『主イエスよ来たり給え――ガリラヤ教会説教集』(新教出版社、1978年)など。共訳書『地球温暖化とキリスト教――「持続可能な社会」のために』(新教出版社、1999年)では聖書教材の日本語訳も担当した。
『福音と世界』2004年3月号の特集「朝鮮半島と日本の教会」内で座談会「韓国民主化闘争と東北アジアの平和への展望」に池明観(TK生)、鈴木正三、森岡巌の各氏と共に出席した。
2012年12月23日にはNHK Eテレ「こころの時代/小さき者に導かれ~東海林 勤~」に出演し、東京経済大学助教授(当時、現教授)の徐京植(ソ・ションシク)氏を聞き手に自らの半生を語った。
韓国基督教教会協議会(NCCK)総幹事の李 鴻政(イ・ホンジュン)氏はNCCを介し、「先⽣が1978年から85年に⽇本キリスト教協議会の総幹事であられた時に、韓国の⼈権、⺠主主義、そして平和構築のために、⾝を粉にして重要な働きを成し遂げてくださったことを、深く記憶にとどめております。さらに、先⽣は差別と偏⾒にさらされる在⽇韓国⼈と連帯し、共に闘ってくださったことを忘れることはできません」との弔辞を寄せた。
故・金大中氏を追悼する集い「隣人愛せ」継いで 来日の李姫鎬夫人が謝意 2009年11月28日