バチカン銀行元総裁、公金横領と資金洗浄で禁錮8年11月 2021年1月23日

 バチカンの裁判所は1月21日、「バチカン銀行」の通称で知られるローマ教皇庁の財政管理組織「宗教事業協会」(IOR)の元総裁、アンジェロ・カロイア被告(81=イタリア人、写真に対し、公金横領とマネーロンダリング(資金洗浄)の罪で禁錮8年11月の有罪判決を言い渡した。AFP通信が報じた。

 バチカンの裁判所が金融犯罪で実刑判決を下すのは史上初。教皇フランシスコは、バチカンのガバナンス改革を推進しており、画期的な判決、とAFP通信。

 1989~2009年にIOR総裁を務めたカロイア被告は、弁護士ら2人と共謀してIORがイタリア国内に所有する不動産20件以上を市場価値より安値で売却したと見せ掛け、多額の売却益をスイスで資金洗浄したとして起訴された。検察当局は、不正に得た利益は総額5900万ユーロ(約74億円)に上ると主張している。

 バチカンの発表によると裁判所は、被告らが「買い手の支払った金額の一部ないしはIORに帰属する資金(中略)総額およそ1900万ユーロ(約24億円)を着服した」と断定した。(CJC)

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