ロシア正教会の最高指導者モスクワ総主教キリル1世=写真=は3月12日までに、性的少数者らが性の多様性を訴えるプライドパレードが「ウクライナの戦争」の原因の一つになったとの認識を示した。米メディア「CNN」が報じた。
キリル総主教はプーチン大統領の長年の盟友とされる。総主教はモスクワでの説教で、「(ウクライナ東部の)ドンバス地域での紛争は世界の大国と名乗る関係国が差し出す価値観といわれるものに対する根本的な拒否に根差している」と主張。
総主教はウクライナの戦争を人間が神の教えを守る形而上学的な意味合いを持つ闘争とも形容。「国際的な関係の領域で現在起きていることは政治的な意味合いを帯びているだけではない」とし、「政治とは違ったはるかに重要な人間の魂の救済の問題である」と説いた。
「神の教えに背けば神聖さと罪の境界線をあいまいにしながら教えの尊さを損ね、さらに罪を人間の振る舞いの一つの例や見本ともなり得るとして助長する人々は決して許されるものではない」とも強調。「この問題に関する本当の戦争が現在起きている」と訴えた。
総主教はロシアによるウクライナ侵攻の開始以降、批判的な姿勢を打ち出さないことで教会内部からも圧力を受けていたとされる。今回の発言は逆に、プーチン大統領が思い描いているとされる精神的かつ現世的なロシア帝国創出に支持を寄せる内容ともなった。(CJC)
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