米司教協議会 トランプ政権の教皇批判受け懸念の声明 2026年4月16日

 米国カトリック司教協議会(USCCB、ポール・S・コークリー会長=写真)は、教皇レオに関する発言をめぐり、ドナルド・トランプ大統領およびJ・D・ヴァンス副大統領の言動に懸念を示す声明を発表した。宗教的権威への敬意と信徒の一致を損なうおそれがあるとして、政治指導者の発言に自制を求めている。

 今回の問題の背景には、イラン情勢をめぐる対立の激化がある。米国とイスラエルによる対イラン軍事行動をめぐり、教皇レオは一貫して停戦と対話を訴え、「戦争はいかなる形でも神に祝福されない」との立場を明確にしてきた。これに対しトランプ大統領は、教皇の姿勢を「弱腰」などと批判し、SNS上でも攻撃的な言及を繰り返した。

 こうした応酬の中で教皇は4月、アフリカ訪問に向かう機内で記者団に対し、自らの発言は「福音に基づく平和と和解の呼びかけ」であり、特定の政治家への攻撃ではないと説明。「トランプ政権を恐れてはいない」と述べつつも、対立的な応酬に加わることは避ける姿勢を示した。

 一方、副大統領ヴァンスも教皇の反戦的立場に批判的な発言を行い、宗教指導者は「道徳的領域にとどまるべきだ」との趣旨の見解を示したと報じられている。こうした一連の言動が、教皇の権威や教会の公共的役割をめぐる論争へと発展した。

 司教協議会の声明は、こうした状況を踏まえたもの。教皇は全世界のカトリック信徒にとって霊的指導者であり、その発言は信仰と倫理に関わる重みを持つと指摘した上で、政治的立場からの一方的な批判や攻撃的表現は、信徒間の分断を招きかねないと警鐘を鳴らした。

 また声明は、言論の自由を尊重しつつも、宗教と言説が公共空間に及ぼす影響の大きさに言及。とりわけ選挙を意識した政治的レトリックの中で宗教が利用されることへの懸念を示し、「対話と相互理解に基づく公共的言説」の必要性を強調した。

 さらに司教協議会は、信徒に対しても冷静な対応を呼びかけ、政治的立場の違いを超えて教会の一致を保つよう促した。信仰と政治の緊張関係が深まる中で、教会の使命は分断の増幅ではなく、和解と連帯の証しにあると訴えている。

(翻訳協力=中山信之)

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