教皇レオ14世 初の主要教書でAI規制訴え 「愛の文明」構築呼びかけ 2026年5月28日

 ローマ・カトリック教会の教皇レオ14世はこのほど、教皇就任後初となる主要教書『マグニフィカ・ヒューマニタス』を発表し、人工知能(AI)の急速な発展に対して強固な規制と倫理的枠組みが必要だと訴えた。

 約4万3千語に及ぶ教書は、AIがもたらす可能性を認めつつも、「人間性を維持する」ことを中心課題として据える内容となっている。教皇は各国政府に対し、AI開発の速度を抑制し、適切な監督体制を整えるよう呼びかけた。

 教書は、旧約聖書に登場する「バベルの塔」を引き合いに出し、「神によってその全き威光をもって創造された人類は、今日、決定的な選択に直面している。新たなバベルの塔を築くのか、それとも神と人類が共に住む都を築くのか」と警告する言葉で始まる。

 また教皇は、AIが誤情報の拡散を助長し、自律型兵器が人間の統制を「事実上超えた」状態に陥る危険性に言及。「終わりのない戦争の道」へと人類を導きかねないと懸念を示した。その上で、「強固な法的枠組み、独立した監視体制、十分な情報を得た利用者、そして責任を放棄しない政治体制」が必要だと強調した。

 この教書は、AI企業Anthropicの共同創業者クリストファー・オラー氏ら専門家と共にバチカンで発表された。AI倫理の専門家ローラ・アームストロング氏は、同メディアに対し、バチカンが「人間から奪ってはならないもの」を軸に議論を構築している点を評価。「技術は想像を超える形で進化するが、人間性の本質は変わらない」と述べた。

 さらに教皇は、カトリック作家J・R・R・トールキンの『ロード・オブ・ザ・リング』を想起させる形で、「権力の文化」ではなく「愛の文明」を築くよう呼びかけた。

 イングランド・ウェールズ司教協議会は、この教書を受けてAI問題を検討する作業部会を設置。カーディフ=メネヴィア大司教のマーク・オトゥール氏は、「人間であることの真の意味は機械の中ではなく、イエス・キリストの人格の中に見出される」と述べ、教皇の提起を歓迎した。

(翻訳協力=中山信之)

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