在日教会の視点から南北の架け橋に 「朝鮮半島の平和と統一」第2回公開学習会 2026年7月27日

日本キリスト教協議会(NCCJ)と在日大韓基督教会(KCCJ)は7月25日、日本キリスト教会館(東京都新宿区)で公開学習会「朝鮮半島の平和と統一――日本教会と在日教会の歩みから考える」の第2回を開いた。第1回の「東山荘プロセス」の検証に続き、今回はKCCJ元総幹事の金柄鎬(キム・ビョンホ)氏が「在日大韓基督教会の祖国平和統一宣教の歩み」と題して講演した。司会は大嶋果織NCCJ総幹事、開会あいさつは李明忠NCCJ副議長(KCCJ)が務めた。
金氏は韓国・釜山生まれ。1986年に来日し、大宮(浦和)教会、東京調布教会で牧会。2013年から2023年までKCCJ総幹事を務め、現在は同教会幹事のほか、NCCJ東アジア和解と平和委員会などの委員を務める。
講演では、KCCJが祖国の平和統一を宣教課題としてきた歩みを振り返った。大きな契機となったのは、南北両政府が1972年に発表した「7・4南北共同声明」だった。声明が掲げた「自主」「平和」「民族大団結」の三大原則は、その後の取り組みの土台となった。
KCCJは1981年、社会委員会のもとに「民族統一小委員会」を設置。その後、「南北宣教委員会」を経て、1991年に「平和統一宣教委員会」へ改組した。現在も毎年8月第2主日を「平和統一主日」として全国の教会で守っている。
金氏が特に強調したのは、南北が自由に往来できなかった1980~90年代に、KCCJが両者の出会いを支える架け橋となったことである。1986年にはスイス・グリオンで開かれた世界教会協議会(WCC)の平和会議で、南北のキリスト者が初めて出会い、聖餐を共にした。1989年にはKCCJとして初の訪朝団を派遣し、同年、朝鮮キリスト教連盟(KCF)代表団が初来日した。
1990年には東京で第1回「祖国の平和統一と宣教に関する基督者東京会議」を開催。KCFを含む南北、海外同胞教会の代表約100人が参加した。会議は大阪、福岡、御殿場・東山荘などで2002年まで8回開かれ、聖書研究や主題講演、決議文の採択を重ねた。KCCJは訪朝団の派遣や自転車100台の寄贈なども行い、NCCJをはじめとする日本の諸教会も連帯してきた。
2000年代に入り南北間の往来が一定程度可能になると、KCCJは出会いの場を提供する第一線から退いた。しかし近年は朝鮮半島をめぐる国際情勢が再び悪化し、南北キリスト者の往来も事実上途絶えている。2019年の訪朝では第9回東京会議の開催を打診したが、2020年に予定された会議は新型コロナウイルスの流行と政治情勢の悪化により実現しなかった。
金氏は今後の課題として、周辺国の思惑が交錯する国際政治の困難に加え、世代交代による「統一」への関心の低下、教会の保守化を挙げた。その上で、祖国の和解と平和統一のために働くことはKCCJの宣教的使命だと語り、日本教会との連帯の重要性を改めて強調した。
学習会では、8月9日の「2026年平和統一主日」に用いる共同祈祷文も紹介された。解放から81年を経ても続く分断の痛みを覚え、「力と欲望の論理ではなく、正義と平和の道」が選ばれるよう祈るとともに、KCCJが和解と平和を実現する教会となる決意を表している。
第1回と第2回の報告書は、9月中にPDFで発行される予定。














