英国国教会 奴隷貿易への加担めぐりアフリカと対話 カンタベリー大主教が就任後初訪問 2026年8月5日

 英国国教会のカンタベリー大主教サラ・ムラリー氏は7月下旬から8月初旬にかけて、ガーナとカメルーンを訪問し、歴史的な奴隷貿易への教会の加担や、紛争地域における平和構築について現地の教会指導者らと意見を交わした。カンタベリー大主教就任後初めてとなるアフリカ訪問で、英国国教会は植民地主義と奴隷制をめぐる過去の責任に向き合う姿勢を改めて示した。米宗教ニュース・サービス(RNS)が8月4日付で報じた。

 ガーナでは、大西洋奴隷貿易の拠点となったケープ・コースト城などを訪れ、奴隷としてアメリカ大陸へ送られた人々を追悼した。また、英国国教会が進める1億ポンド(約200億円)規模の基金についても言及した。この基金は、教会の投資基金が過去に奴隷貿易と関わる企業から利益を得ていたことを受け、影響を受けた共同体への支援や歴史研究、教育などに充てることを目的としている。

 一方で、この基金をめぐっては、奴隷制の被害を受けた人々の子孫らから「規模が不十分」との批判があるほか、教会内からも財政負担を懸念する声が上がっており、歴史的責任をどのような形で果たすべきかをめぐる議論が続いている。

 続いて訪れたカメルーンでは、政府軍と英語圏分離派との武力衝突が長期化する中、現地教会関係者らと会談。「永続的な平和は、すべての当事者が参加する包括的な対話なしには実現しない」と述べ、対立する双方を含めた和平交渉の必要性を訴えた。

 英国国教会は近年、奴隷貿易への歴史的関与を検証し、謝罪や基金創設を進めてきた。今回の訪問は、過去への反省を表明するだけでなく、その影響を受けた地域の教会と直接対話し、和解と信頼回復に取り組む姿勢を示すものとなった。

写真=Kini Wolfgang/Lambeth Palace

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