故・小坂忠さんの賛美、次世代へ ミクタム50周年を前に「感謝と賛美の集い」 2026年8月21日

日本のゴスペル、ワーシップ音楽を長年けん引してきたミクタムレコードの「ミクタム50周年 感謝と賛美の集い」が8月20日、渋谷区文化総合センター大和田・伝承ホール(東京都渋谷区)で開かれた。主催者によると、あえて50周年に先立ってこれまでの歩みへの感謝をささげるために企画した。2022年に73歳で召天した創設者、小坂忠さんゆかりのミュージシャンから孫世代までが出演し、300人超の関係者らで満席となった会場では、半世紀近くにわたり歌い継がれてきた賛美が分かち合われた。
集いでは、ユーオーディア・アンサンブルによる演奏に続き、「小坂忠を歌う」と題して堀井ローレンさん、福原タカヨシさん、Asiah(エイジア)さんらが出演したほか、「次世代へ」と題するコーナーでは小坂さんの孫らも登壇。小坂さんが使っていたギターも演奏に用いられた。
小坂さんは1948年東京都生まれ。68年「フローラル」のボーカリストとしてデビュー後、細野晴臣氏、松本隆氏らとロックバンド「エイプリル・フール」を結成。71年にソロアルバム『ありがとう』を発表し、75年の『HORO』は後の日本のR&Bやソウルに大きな影響を与えた。

娘のAsiahさんは、幼いころに自身が大やけどを負った事故と、その後の癒やしを通して両親がキリスト教信仰へと導かれ、ミクタムの働きが始まった経緯を振り返った。小坂さんは76年に受洗。78年、妻の高(小坂)叡華さんらとゴスペル専門レーベル「ミクタムレコード」を設立し、CCM、ゴスペル、クラシック、プレイズ&ワーシップなど幅広い作品を制作。コンサートや音楽セミナーに加え、1987年から95年にかけては野外賛美大会「ジェリコ・ジャパン」を13回開催した。
福原さんは、少年期から教会で育つ中、従来の聖歌や賛美歌とは異なるミクタムの日本語ワーシップを「新鮮な気持ち」で体験したと回想。他の出演者らも、小坂さんから受け取った「トーチ」をさらに自分の子ども、その次の世代へとつないでいきたいと口をそろえた。
2020年のコロナ禍を機に始まった「M Worship Project」も、その継承を象徴する働きの一つ。教会で会衆が集まって賛美することが難しくなる中、小坂さんがクリスチャンミュージシャンや制作スタッフに呼びかけ、3年間で12シリーズ48曲の賛美映像を制作し、YouTubeなどで無償配信した。

叡華さんは小坂さんとの出会いについて、大学卒業時に友人だった細野晴臣氏が連れてきたことがきっかけだったと紹介。「彼ほどキリストに出会って変わった人間はいない」と振り返った。ラジオ番組でもほとんど話せなかった小坂さんが、信仰を得て「伝えたいもの」ができたことで情熱的に語るようになったという。
長年ミクタムの音楽に触れてきた関係者を見渡し、「今日は同窓会かなと」と笑顔を見せた叡華さん。8月12日に80歳で「傘寿」を迎えたことを祝われると、80歳で新たな使命を与えられたモーセになぞらえ、「新しい使命が来たらどうしようとドキドキしている」とユーモアを交えつつ会場を沸かせた。
終盤には、小坂さんとミクタムが世に送り出してきた賛美を出演者と会衆が共に賛美。50周年の節目を前に、小坂さんが残した歌と日本宣教の願いを世代を超えて共有する集いとなった。
















