靖国例大祭での参拝・奉納中止を要請 NCC「政教分離原則の厳格な遵守を」 2026年10月18日

日本キリスト教協議会(NCC)靖国神社問題委員会(関伸子委員長)は10月5日、靖国神社(東京都千代田区)の秋季例大祭に際し、首相や閣僚が参拝や真榊(まさかき)の奉納などを行わないよう求める要請書を、高市早苗首相宛てに送付した。日本国憲法第20条3項が定める政教分離原則の厳格な遵守を求め、過去の戦争における靖国神社の役割についても言及した。
同委員会は、春季・秋季例大祭のたびに歴代首相に対して参拝や奉納を行わないよう要請してきた。しかし、首相や閣僚による参拝や真榊奉納が繰り返されているとして、こうした慣例を見直し、憲法を遵守した政治に改めるよう求めた。
要請書では、首相や閣僚による参拝・奉納が報道されることによって、政府と靖国神社が特別な関係にあるかのような印象を与え、特定の宗教への関心を呼び起こし、その活動を援助、助長、促進する効果を持つと指摘。たとえ本人が「私的なもの」と主張しても、政府を代表する立場の人物による行為は公的な影響力を持つため、単純に私的行為とはみなせないとの見解を示した。
また、靖国神社について、戊辰戦争以来、天皇の側に立って戦死した兵士を「英霊」として祀り、顕彰するために創設され、戦前・戦中には国民を戦争に動員する役割を果たしたと指摘。首相や閣僚がその歴史への反省を十分に踏まえず参拝や奉納を繰り返すことは、日本政府が歴史に対して無反省であると国内外に表明するに等しいと批判した。
その上で、参拝や真榊奉納に加え、神社に赴かず離れた場所から拝礼する「遥拝」についても行わないよう要請。憲法第20条3項の政教分離原則と、第89条の公金支出に関する規定を厳格に遵守するよう求めた。
一方、10月17日から19日までの秋季例大祭初日、高市首相は「内閣総理大臣 高市早苗」名で真榊を奉納した。期間中の参拝は見送る方向と報じられている。また、城内実成長戦略担当相が参拝し、私費で玉串料を納めた。
NCCはこれまでも、靖国神社の春秋の例大祭に合わせて首相や閣僚の参拝・奉納に反対する要請を重ねており、2023年には秋季例大祭での参拝・奉納に対する抗議声明も発表している。
















