「平等で自然な一部」に ノルウェー教会 先住民を再評価 2012年1月21日

  ノルウェー教会(ルーテル派)は、今後4年間で先住サーミ族(ラップ人)が教会生活の中で確固たる役割を果たせるように準備を始めた。同派全国評議会のイェンス=ペッテル・ヨンセン議長は「サーミ族の教会生活がノルウェー教会内で平等かつ自然な一部となるように、そしてノルウェー教会が多文化共同体となるように願っている」と語った。

 サーミ族は、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアのコラ半島などに総勢10万人いると推定される。ノルウェーには5万人から6万5千人住んでいると見られ、多くは北部で伝統的な生活様式を守っているが、オスロなど都市部にも居住している。

 同派は2011年の総会で、サーミ族は教会内で独自の生活ができ、教会の当然の部分として先住民の立場が認められる、と決議した。具体的には16年までに、独自の牧師、執事などの役員ポストを設け、サーミ語や、新会員募集、典礼、聖書翻訳、教会史などを教育するという。

 サーミ語やその文化に対するノルウェー社会や教会の姿勢は歴史的に変化して来ている。20世紀前半まで、サーミ語はサーミ族居住地域でも学校教育に取り入れられなかった。

 キリスト教は、中世にカトリックと正教会の布教が行われた。1536年から37年にかけての「デンマーク=ノルウェーの宗教改革」で、ほとんどのサーミ族はルーテル派になった。ただ、今も正教会信徒が少数存在する。

 サーミ族居住地域では、ノルウェー教会の牧師は典礼を現地語で行っており、中には説教や日常会話も可能なレベルの人もいる。一方でサーミ族の牧師も見られるようになった。

【オスロ=ENI・CJC】(オイヴィンド・オスタン記)

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