【地方からの挑戦~コレカラの信徒への手紙】 誰かの隣人となるために 近藤真史 2025年6月1日

「教会さんをお借りして能登半島の支援になるようなコンサートをさせてもらえませんか?」
地域のコーラスグループの方からこのようなお声がけをいただいたのは昨年の3月ごろだったと思います。2024年1月1日に起こった能登半島地震から3カ月が経とうとしていたころ、同じ地域に住むクリスチャンではない方からの呼びかけに、私たちはハッとさせられました。私たちおゆみ野キリスト教会は、地震発生から2~3日の間に救援物資を送ることは決め、1月8日に無事、それを届けることはできていました。そこで現地の惨状も目の当たりにしたにもかかわらず、それ以降、これといった活動をできずにいました。
そんな中、このようなお声がけをいただき、地域のコミュニティと教会の「共催」という形で能登半島地震復興支援コンサートを行う運びとなりました。
はじめ、ご自分たちでコンサートを開くことを考えておられた方々は「教会にも音楽グループが複数ありますので、ご一緒させてもらえませんか?」という私たちの申し出を快く受け入れてくださいました。そこから月1、2回のミーティングを重ねつつ、昨年6月に無事コンサートを開くことができました。
私たち教会としましても、地域のノンクリスチャンの方々と協力して、一つのプロジェクトを進めることができていることに、心から感謝をしています。主なる神さまが造られた世界の中に、なぜ大地震、大震災が生じるのか、災害国日本に住む信仰者に絶えず問われている問いでしょう。聖書からこの問いに向き合おうとしても、神のみ前に立ち尽くしてしまいます。しかし、一つの答えは「私たちが愛を示し合うため」ということでしょう。
そのコンサートの中で、ショートメッセージをさせていただけることなり、私はルカの福音書10章に記されている「良きサマリヤ人のたとえ」から分かち合いました。「あなたも行って同じようにしなさい」。この主イエスのことばは、神学生の時代から何度も私に語られてきたことばでした。しかし、同じようになど全然できません。そんな私の隣人となるために、私のサマリヤ人となるために、天から地にくだり、十字架にまでかかってくださったイエス・キリストがおられます。そんな私をいつまでも諦めずにいてくれる主イエスがおられます。その方の愛と助けをいただくなら、私たちも良きサマリヤ人のようになることを願うことができるのではないか……。
そのようなお話をノンクリスチャンの方とも分かち合えたことに感謝をしています。神さまが造られた世界に生じている痛みに、心を痛めているのは当然、クリスチャンたちだけではないからです。ノンクリスチャンの方たちともともに、誰かの隣人となるために、このような活動ができていることに感謝しています。
昨年のコンサートは祝福のうちに終えることができ、みなで「1回だけではもったいない、また来年も!!」と話すことができました。この原稿を書いている時から2週間後に、第2回、能登半島地震復興支援コンサートを開くことになっています。
こんどう・まさし 1985年東京生まれ。クリスチャン家庭で育つも中学から教会生活をやめ、18歳でイエス様に戻る。Worship!JAPAN(旧ゴスペル音楽院)卒業。東京基督教大学修士課程終了。在学中に、千葉県千葉市にあるおゆみ野キリスト教会(日本長老教会)のメンバーとなり、夫婦関係の修復を得る。2021年より同教会牧師。趣味はベース演奏とポッドキャスト、サ活。