WCCが2026年イースターメッセージ 復活信仰は「抗議でもある」 2026年4月6日

世界教会協議会(WCC)は3月26日、2026年のイースターメッセージを発表し、戦争や経済的不正義、気候災害などが深刻化する世界情勢の中で、復活信仰が単なる慰めではなく「尊厳の否定に対する抗議」であると強調した。
メッセージはコリントの信徒への手紙一15章17節「キリストが復活しなかったのなら、あなたがたの信仰は空しく」を引用しつつ、「喜びの叫びが絶望の叫びにかき消されがちな時代」にあって、苦しみに向き合わずしてイースターを祝うことはできるのかと問いかける。戦争、政治的抑圧、性暴力、宗教的迫害など、多くの犠牲者の存在に言及し、現実への直視を求めた。
その上で、イエスの生涯が愛と希望、癒やし、そして異なる背景を持つ人々を一つの共同体へと導いたものであったことを想起。抑圧下にあった当時の社会において、人間が神によって平等に創造され、尊厳をもって生きる世界への希望を示したとする。しかし、その希望は十字架によって一度は打ち砕かれ、「また一つの失望」と見えたと振り返る。
だが3日目、墓を訪れた女性たちの体験によって状況は一変する。復活のキリストとの出会いが弟子たちの疑いを乗り越えさせ、福音は世界へと広がった。「最後に勝利するのは死ではなく、いのちである」との確信が、今日もなお多くの人々を支えていると述べる。
さらにWCCは、復活信仰が「耐えがたい苦しみを前にした精神的慰撫」にとどまらないと指摘。イエスの死と復活は、その生涯における愛、和解、正義と切り離せず、したがってキリスト者の信仰は、侵略戦争や憎悪の拡散、人種差別や排外主義といった罪に対する抗議を内包するものだと強調した。
そして、復活の希望は「いのちへと導くメッセージ」であり、世界が直面する深淵は終わりではないとする。信仰者は、涙が拭われる「新しい天と新しい地」への希望に支えられつつ歩むとし、この展望が世界の教会共同体を結び、すべての人間との連帯を生み出すと結んでいる。
メッセージには、中央委員会議長のハインリヒ・ベドフォード=シュトローム氏、副議長のヴィケン・アイカズィアン氏らとともに、総幹事ジェリー・ピレイ氏が名を連ねている。
写真=Albin Hillert/WCC














